「二次創作映画」と原作ファン激怒!? 水嶋ヒロのクリエイティビティが爆発した映画『黒執事』レビュー

1401_kuroshitsuji.jpg映画『黒執事』公式HPより。

 二次元と三次元の間には暗くて深い川がある。マンガやアニメ、ライトノベルの実写化もまた然り。それでも勇気あるクリエイターたちは、果敢に挑戦を続けます。夢を現実に――妄想(二次元)を実写化するために。枢やなによる大ヒットコミック『黒執事』(スクウェア・エニックス)が、待望の映画化です!

 万能にして完璧、忠実にして無礼な“あくまで執事”のセバスチャンを演じるのは、2010年の『BECK』以来、三年ぶりの映画復帰となる水嶋ヒロさん。今回、水嶋さんは企画段階から深く本作に関わり、本名の齋藤智裕で共同プロデューサーとして、スタッフのクレジットに名を連ねるほどです。

 なんでも当初、水嶋さんは主演については「自分には無理」と断っていたが「彼がやらないのなら、この映画化はない」と惚れぬいた松橋真三プロデューサーが、まずは脚本作りや作品の方向性をプロデュースするスタッフとしてでもいいから、と制作に巻き込んだそうで。

 そして一年半ほどの準備期間を経て、脚本が完成した時点での松橋プロデューサーからの主演の再オファーに「だって僕がやらないと映画化しないつもりですよね。こんなに頑張ったのにもったいない」と、承諾したのだとか。この創作に対する深い愛。さすがは色んな意味で話題を呼んだベストセラー小説『KAGEROU』(ポプラ社)の著者でもある齋藤智裕=水嶋ヒロさんです。ではそんな水嶋さんが、情熱を傾けた映画『黒執事』の内容とは?



 舞台は、女王が統治する「西側諸国」と、それに対立する「東側諸国」に世界が分断された近未来。世界統一を目論む西側の女王は、腹心の貴族を各国に送り込み、諜報活動を行なわせていた。そんな「女王の番犬」のひとり、巨大玩具メーカー“ファントム社”の若き総帥、幻蜂清玄伯爵(演:剛力彩芽)と、その執事セバスチャン(演:水嶋ヒロ)。命と引き換えに主従関係を結んだ彼らは、女王の指令により、各国要人が次々とミイラ化するという連続怪死事件の調査を進めていた――。



 ……って、ちょっと待って! 『黒執事』の舞台って、19世紀のイギリス(まあ、かなりトンデモ入ってるけど)じゃありませんでしたっけ? あとセバスチャンの主人はシエル・ファントムハイヴ(12歳美少年)のはず……。

「漫画の世界観そのままに良質な作品を創るとなると、単純に予算の問題が出てくるだけでなく、危険でもあるんです。単なるコスプレ映画になってしまってはダメですから。(後略)」(パンフレットに掲載された水嶋ヒロさんのインタビューより抜粋)

 な、なるほど。先の『BECK』をはじめ『ごくせん』『花ざかりの君たちへ』など数多くのマンガ実写化作品に出演している水嶋さんならではの説得力のある発言です。確かに原作の世界観をそのまま映画化するのは、予算的にもキャスト・スタッフの面でも日本では不可能でしょうからね。舞台を近未来の日本っぽい国にして、個性的な役者を集めて無国籍感で押し切ろうというのは、ひとつのアイデアかもしれません。

GLOBAL WORK vol.2 (講談社MOOK)

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完璧な執事であり、完璧な編集長でもある…?

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