加隈亜衣は「すみれちゃんと2回観ているんですけれども、観るたびに意見や感想が違ったものになる。今日ご覧になるみなさんにどう受け止められるのか、怖い、楽しみと、いろいろな気持ちがあり、緊張しています。観るときの気持ちや体調などのコンディションで変わると思うので、いいタイミングで観てほしいという気持ちがあります」と、期待と不安が交錯する様子を語った。観るたびに感想が変わるとは、どういう作品なのか? 否が応でもテンションが高まるなか、本編の上映が始まった。
『魔女っこ姉妹のヨヨとネネ』の原作はひらりん(「物語環境開発」所属)のマンガ『のろい屋しまい』(徳間書店)。魔の国で魔法や呪いに関する悩みを解決する「のろい屋」を営んでいた魔女姉妹のヨヨとネネが住む森に現代日本風のマンションが姿をあらわし、調査に入ったヨヨはそのまま異世界に転移して戻れなくなってしまう。ヨヨはそこで出会った孝洋(たかひろ)という少年の両親が化物になった原因をたどり、2つの世界に何が起きたかを探っていく――。
100分間の作品とは思えないスケールの大きな物語にufotableらしい高品質の音響と映像が載り、“生と死”あるいは“自己犠牲的と自己中心的”というテーマが反復され、心が洗われるかのような映画に仕上がった。
上映後はもちろん拍手。その響きに誘われるように登場したキャラクターデザイン・柴田由香、副監督・高橋タクロヲ、ufotable プロデューサー・近藤光の三氏も加わり、“七人の侍”によるアフタートークは賑やかなステージになった。
観客の質問に登壇者が答えて話を膨らませるスタイル。なぜ画面比がシネマスコープサイズだったのか? という問いには、平尾監督が次のように答えた。
「ビスタサイズに比べてシネマスコープのほうが横長で、キャラクターというよりも奥の美術や世界観をより広く見せやすい。100分という上映時間の中でできるだけ説明をせずとも、奥の背景から実際に住んでいる感じを出したかった」
『桜の温度』でのいろいろなチャレンジがここにつながっているよね、と近藤プロデューサーが振ると、平尾監督は「シネマスコープもそのひとつですし、背景に主線、実線を入れることも」。
「横長でいろいろなものを描き込める分、何を画面化するか、強く押し出していかないといけない」(副監督・高橋タクロヲ)
「美術がけっこう見える作品でした。背景に線があることでキャラクターの情報処理も意識しました」(キャラクターデザイン・柴田由香)
上下が狭く、全身を入れようとすると小さいサイズになってしまう。ロングサイズでお芝居をさせるか、あるいは作画的にはいちばん難しいとされるひざから上――ディテールを入れなければいけないし動かすのもたいへん――の芝居が多くなってしまい、作画をされた方はたいへんな思いをしたんじゃないかと思う、とは平尾監督の弁。
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