クリスマスといえばやっぱりアニメ鑑賞!まだ間に合う!!聖夜に見たいアニメ5選

 メリークリスマス! クリスマスは、キャラデコケーキだ! ……というわけで、「おたぽる」読者の皆様はどのようなクリスマスを過ごされているだろう。さて本日25日はまだまだクリスマス本番。派手に騒ぐのもいいけれど、夜はのんびりとアニメ鑑賞するのも悪くない。そこで、膨大なアニメ作品の中から、クリスマスを題材にした作品をいくつかチョイス。読者の皆さんがどのようなクリスマスイブを過ごしたか、そのタイプ別におすすめアニメをセレクトしてみたぞ! これを参考にレンタル店やオンデマンド視聴してもらえれば幸いだ。

【友だちが少なく寂しくイブを過ごした君には……】

→『巨人の星』92話 「折り合わぬ契約」

 ネタで『巨人の星』を語る際、あまりにも有名なクリスマス話の定番。野球に奪われた自らの青春を取り戻そうと、慣れない遊び三昧の日々を過ごす星飛雄馬が企画したクリスマスパーティ。だが、あくまで馴れ合いでない真剣勝負を望むライバルたちは、飛雄馬のだらけた心に喝を入れるべくクリパの誘いをあえて無視する……というもの。

 パーティに行かない理由を語る花形の「フン、クリスマスケーキを食べにどうしてわざわざ巨人宿舎まで行かなくちゃならないんだい?」、左門の「君に借りば返すために、わしの心が鬼になっとるこつば、君は知らんとですか……!」といった名セリフにグッと来る。

 独り三角帽子をかぶり、ご馳走を前に仲間を待つ飛雄馬の複雑な胸中は、彼と同様にぼっちな夜を過ごした君ならきっと痛いほど理解できるだろう。

 この話はアニメオリジナルで原作マンガには存在しないが、日米野球で飛雄馬がカージナルスのオズマと対決し「貴様も俺も野球ロボットだ」と看破された後のエピソードとされており、ストーリーを補完する意味で良作である。

【『第3次スーパーロボット大戦Z 時獄篇』発表に湧いたロボットファンの君には……】

→『マジンガーZ』第56話 「強奪された超合金Z!」

1312_xmas_mazinger.jpg56話が収録されたマジンガーZ VOL.5

 このエピソード、ドクターヘル配下のあしゅら男爵とブロッケン伯爵の両軍団が仲間割れの戦いを始めるが、実はそれは陽動作戦。マジンガーZらがかまけている間に超合金Zを奪う本来の計画が進行していた、というトリッキーで面白い話である。しかし、敵の機械獣“サタングロースP10”が、巨大な二頭立てロケットのソリに乗っているサンタクロースそっくりなデザインであるため、どこかギャグ回のように思えてしまう可哀想な話。同時に登場する鉱夫型機械獣“ユーバリンT9”もポイント高し。

 リアルロボット派にはズバリ『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』第6話「ポケットの中の戦争」がおすすめ。有名な「嘘だと言ってよ、バーニィ!」のセリフの元ネタでもある、連邦とジオンの戦争末期を舞台にしたOVAだが、サイド6の小学生アルと、ジオンのサイクロプス隊の特務兵バーニィ、連邦のテストパイロット・クリスの友情物語が、クリスマスに悲劇的な結末を遂げるという切ない名作OVAだ。

【思いっきり泣いてこの一年の嫌なことを忘れたかった君には……】

→世界名作劇場 『フランダースの犬』

 アントワープの街の大聖堂の中、凍えた少年ネロと愛犬パトラッシュが息絶えて天使達に導かれ昇天するクライマックスは、テレビの『名作アニメ100選!』的な企画番組でも必ず取り上げられるあまりにも有名なシーン。誰もが涙無くしては見られない名場面だろう。これがクリスマスイブの話なのはよく知られているが、さらに仕掛けがあるのはご存知だろうか?

 ネロとしか呼ばれない主人公の名前は愛称であり、本名はニコラス。つまりセイント・ニコラス=サンタクロースを意識してのネーミングであり、ネロが見たがっていた大聖堂の絵はルーベンスの『聖母被昇天』で、描かれている聖母マリアは未だ会えぬネロの母親の比喩でもある。

 つまり原作小説の時点で、すべてがクリスマスのクライマックスに集約されるようにモチーフが考えられて配置されており、『フランダースの犬』は古典でありながら、ある意味「泣けるエロゲー」的な狙って泣かせる構造を持っている作品なのだ。

 余談だが、同原作を元に92年放映、声優・林原めぐみがネロを演じた日本テレビとトムス・エンタテインメント製作による『フランダースの犬―ぼくのパトラッシュ―』は、ソフト化されていない幻のアニメ。見たことがある人は、この機会に自慢して友だちに差をつけよう!

【家族と一緒に心安らかにイブを過ごした君には……】

→『東京ゴッドファーザーズ』

 やはり自宅で落ち着いたクリスマスを、といった向きにはこの1本。ちょうど10年前に公開された本作は『PERFECT BLUE』『千年女優』に次ぐ今敏監督の三作目の劇場用アニメ映画であり、一般の評価を大きく高めた作品でもある。

 雪のクリスマスを舞台に、中年男、女子高生、オカマのホームレス3人組が捨て子の親を探しながら、互いの絆を確認しあうというストーリー。脚本は今敏監督と『カウボーイビバップ』などを手がけた信本敬子の共同脚本で、往年のハリウッド映画のテイストを思わせるコメディながら王道の作品に仕上がっている。以前は深夜にテレビで頻繁に放映されていた印象があるが、最近は見かけない感じなので未見の方はこの機会にぜひ。

 キャラデザに好みが分かれるきらいはあろうが、キャラクターの作画・芝居に細かな演出が見受けられ、実際の東京を舞台にした美術設定は特筆すべきものがある。特にホームレス小屋の中のゴチャゴチャしたガジェット感覚には、いかにも今敏監督らしいコダワリが垣間見れるのではなかろうか。



 以上、4ジャンル5作品のお勧めアニメを紹介しました。

 あえて今回は“恋愛”がテーマとなっているアニメのクリスマス回には触れませんでした。それはもちろん、アニメファンの皆さん一人ひとりの心の中に、数々の神回と「俺の嫁」が存在するからにほかならないからです。それでは日曜からの有明戦争に備えて、静かな聖夜をお過ごしにならんことを。
(文/出口ナオト)

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ボーガーな君には……クリスマス回収録のこちら。

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