“ゲーム脳”でわかるゲーム業界 第1回

グリーが任天堂を“倒す”のは2098年!? 両社のステータスを徹底比較

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【2013年の任天堂のステータス】(単位/億円)
HP 14140 かいふく 70 会心率 △5%(△364)
【2013年のグリーのステータス】(単位/億円)
HP 948 かいふく 225 会心率 31%(486)

 それでは、ここからは両社の現状を踏まえてみよう。最も伸びていた2012年期のグリーであっても、任天堂と同程度の「利益剰余金」(HP)を確保するのに計算上32年かかるようであったが、現在のグリーは、2012年、消費者庁からのコンプガチャの景品表示法違反指摘などによって、その強みであった “課金アイテム”という厨武器に下方修正パッチが当てられ、弱体化してしまった。売上高の微減に対し、営業利益が前期比41.2%減ったことで、グリーの強みである「売上高営業利益率」(会心率)は低下。結果、前年度よりも利益額(かいふく)そのものが激減してしまったのである。「利益剰余金」(HP)は2012年の793億円から2013年の948億円と、利益額が減ったことのあおりを受けてかその前より伸びなくなってしまった。このペースだと85年後の2098年には、グリーは「利益剰余金」(HP)で任天堂と肩を並べることができる……のかもしれない(筆者計算)。しかしながら、株式会社は配当の額に大きな影響を受けることもあるので、利益剰余金(HP)の額の多寡で単純に「良い企業」の判断はできないことを記しておきたい。

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 以上のことから、

・「グリーの驚異的なまでに高い売上高営業利益率を誇ったモデルが、一時期と比較して鈍化したこと」
育成ゲームでいえば、ステの伸び率が高くて育てていたら、実は早熟タイプで、その後、ステータスが全然伸びない……という状態にグリーは陥っているということ。

・「本業で赤字を出している任天堂であるが、強大な体力から依然安全性を感じられること」
最強キャラである任天堂は下方修正されたが、いまだ最強キャラの座は変わらず……という状態にあること。

 この2点を、本稿から読み取っていただけたら幸いである。

 これからはスリム化を果たしたグリーが自分の武器である会心率をさらに磨いて続伸することができるのか、そして任天堂は本業でしっかりと黒字を出し、自身の体力に甘えることなくチャレンジを続けていくことができるのか、というところが注目ポイントである。
(文/上田東洋)

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