“ゲーム脳”でわかるゲーム業界 第1回

グリーが任天堂を“倒す”のは2098年!? 両社のステータスを徹底比較

【グリーのステータス遷移】(単位/億円)
2011年 HP 334 かいふく 182 会心率 48%(311) 
2012年 HP 793 かいふく 479 会心率 52%(827) 
2013年 HP 948 かいふく 225 会心率 31%(486)

 上図がグリーのここ3年のステータス遷移となる。先に述べた通り、ステータス中のHPは「利益剰余金」を、会心率は「売上高営業利益率」(カッコ内は営業利益)を、かいふくは「純利益」を表す。「売上高営業利益率」は本業でいかに効率的に稼いだのかの効率性の指標であり、「純利益」は最終的にいくら儲かったのかの数字である。

 グリーの直近の年度財務報告である有価証券報告書(2013年6月期)によると、前年度と比較して営業利益は827億円→486億円と341億円減の41.2%減、「純利益」(かいふく)は479億円→225億円と254億円減の53.1%減と急激な減少に至った。“コンプガチャ”で高い収益性を持っていた『探検ドリランド』『聖戦ケルベロス』などのヒットで絶好調だった11年後半~12年前半頃と比較すると、現在はその半分以下の額しか儲けることができていない。

 グリーはこの不振ぶりを受けてか、今年10月末までに大阪の開発拠点の閉鎖の決定、一部不採算タイトルからの撤退、希望退職者の募集といった「選択と集中」戦略を推し進めている。次期の合理的な業績見通しの算定ができないほどグリーのあせりが見て取れる。果たして、事業のスリム化が任天堂の倒し方なのか?

【任天堂のステータス遷移】(単位/億円)
2011年 HP 15026 かいふく 776 会心率 16%(1710)
2012年 HP 14197 かいふく △432 会心率 △5%(△373)
2013年 HP 14140 かいふく 70 会心率 △5%(△364)

 かたやゲーム界の横綱たる任天堂株式会社(以下、任天堂)を見てみよう。現在では、WiiUの不振がピックアップされがちで、確かに流行のソーシャルゲームの短期的、高収益モデルにはあまり手を出していない。そのため、「【悲報】任天堂終了のお知らせ」と銘打たれた任天堂不振のニュースと共に、「いわっち」こと任天堂の岩田聡社長の進退問題の是非がネット界隈を駆けめぐることも多い。

 2012年3月期に営業利益、「純利益」共に赤字に転落すると、2013年3月期は円安に振れた為替のおかげで最終損益こそ黒字であるものの、本業であるゲーム事業の成績を示す営業利益は364億円の赤字である。

 現状、減収こそしたが黒字で成長を続けているグリーと、時代についていこうとしながらも本業の赤字の中でもがいている任天堂、という印象を受けることができるが、両者にはご覧の通り決定的な違いがある。絶望的なまでの「利益剰余金」(HP)の差である。

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