エロもキャラも動きも抜群! 今石洋之&中島かずきコンビが放つ『キルラキル』

――毎日、何本ものアニメが目まぐるしく放送されている現代日本。これだけ放送本数が多いと、見るのだって一苦労……。そんな悩める現代オタクのため、「おたぽる」がオリジナル作品を中心にテレビアニメ・レビュー! これさえ読めば、気になるあのアニメのあらすじから評判までがまるわかり!!※本文中には“ネタバレ”が含まれていますので、ご注意下さい。

■『キルラキル』
第1話「あざみのごとく棘あれば」

1310_killa_1.jpg『キルラキル』公式HPより。

 2013年10月3日、ついに『キルラキル』の放映が始まった。監督に今石洋之氏、脚本・シリーズ構成に中島かずき氏、キャラクターデザインにすしお氏と、『天元突破グレンラガン』、『パンティ&ストッキング with ガーターベルト』(以下、『パンスト』)の制作スタッフが手がけ、制作会社トリガー初のTVアニメシリーズとして放送前から話題を呼んでいた本作。

 まずは注目を集めた第一話のあらすじから紹介しよう。

 舞台は、絶対の階級と鉄の秩序が支配する学園都市「本能字学園」。そこでは、着た者に特殊能力を与える「極制服」をまとった学園エリートが、平民生徒を力によって厳しく管理していた。その頂点に君臨するのが、おかっぱロングの黒髪が特徴的な生徒会長・鬼龍院皐月きりゅういん・さつき/CV:柚木涼香)だ。鬼龍院は言う、「恐怖こそ自由。君臨こそ解放。矛盾こそ真理。それがこの世界の真実だ。服を着た豚ども、その真実に屈服せよ」と。

 そんな「本能字学園」に、纏流子(まとい・りゅうこ/CV:小清水亜美)が転校生としてやってくる。彼女は、巨大なハサミ「片太刀バサミ」を手がかりに、父の死の真相を求めて流浪する身だ。異様を放つ巨大な「本能字学園」の校舎を見上げて流子はつぶやく。

「おもしろい、この学校なら手がかりを掴めそうだ」

 転校初日、人懐こくハイテンションなド天然の同級生・満艦飾マコ(まんかんしょく・まこ/CV:洲崎綾)と流子が学園内を歩いていると、三つ星の「極制服」を身にまとった学園四天王の一人が現れ、平民生徒たちが不動の姿勢で列を作って迎え始めた。そこで流子は、無星から三つ星までのランクがある厳しい階級秩序と「極制服」を学園エリートたちに与える生徒会長・鬼龍院の存在を聞かされる。そこに姿をみせる生徒会長・鬼龍院。流子は待っていたとばかりに躍り出た。

「あんたがこの学校で一番偉いんだって? だったら聞きたいことがある!」、そう叫んで「片太刀バサミ」を構える流子だったが、立ちはだかる二つ星の「極制服」を着たボクシング部長・袋田隆治(ふくろだ・たかはる/CV:岩田光央)の鋼鉄パンチにあっけなくやられてしまう。

 ほうほうの体で逃げ出し、廃墟の成り果てた生家へと身を隠す流子。そこで流子は「生きるセーラー服」(CV:関俊彦)に出会った。「わたしを着ろ!」と迫る不気味なセーラー服に流子は抵抗するも、とうとう「生きるセーラー服」に身を包まれてしまう。

 一方の本能字学園では、マコを人質にして袋田が流子を待ち構えていた。「生きるセーラー服」を身につけて学園に戻った流子は、袋田とのリベンジマッチに完全勝利する。

「貴様、その服、何処で手に入れた?」、袋田を倒した流子に鬼龍院が尋ねる。

「これは父さんの形見だ。そして、この片太刀バサミこそ、父さんを殺した犯人が残したものだ! さあ、教えてもらおうか! このハサミの持ち主を! 鬼龍院皐月!」

 纒流子の学園生活がこうして始まった。

 いきなり大ボスとの対峙となった第1話だが、期待を裏切らないハイテンション&ハイテンポな「らしさ」に、ニヤニヤが止まらなかった人も多いのではないだろうか。

「ディストピアへの反抗」といった壮大なテーマや過剰気味な演出は『グレンラガン』の圧倒的な熱量の大きさを感じさせたし、その熱量に胸やけさせない軽快なテンポには『パンスト』を思い出し、第一話からファンをがっちり掴みにきた印象がある。折々に挿入される『炎の転校生』や車田正美テイストも、往年のアニメファンにはたまらないだろう。特に、第1話から、ヒロインの登場、挫折、そして復活とビルドゥングスロマン(成長物語)の要素がぎっちり詰め込まれた24分間の濃厚さに圧倒された方も多いのでは。加えて、「紐セーラー服」を身にまとってヒロインが戦うシーン、マコが逆磔にされてしまうエロ要素たっぷりのシーンは、「グレンラガン」や「パンスト」を知らないファンでもニヤニヤが止まらなかったはずだ。

 父の仇、破天荒な転校生、暗黒の学園支配といった昭和の香り漂う設定や、CG全盛の時代に敢えてセル画のテイストの、しかもやたらとよく動くアニメーションなど、エロもキャラもアニメーションもと、『キルラキル』は全方向から楽しめるアニメ作品になっていた。

 こうした魅力にネットでも、「細かいことはどうでもいい楽しければいいと教えてくれる良作」「荒削り感が本当にたまらない。グレンラガン以来の興奮を覚える」といった反応が寄せられているようだ。その一方で、ハイテンションで動きまくる作画に「失速する予感がする」「本当に2クール持つのか?」と今後のクオリティ維持に懸念の声も上がる。

 ともあれ、放送前の期待に応えるように初回の評判は上々。オリジナル作品が多い今期アニメの中で頭ひとつ抜け出せるか、今後の展開が楽しみだ。
(文/尾野スミ)

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