TVアニメ『ひぐらしのなく頃に』郷壊し編　其の壱

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　前回の衝撃のラストから一転、新しい章がスタートした。今回アバン部分は祭囃子編のラスト。鷹野の陰謀が潰え、幸せな未来が始まるという大団円なシーンだ。羽生も仲間として存在しているが、本編がスタートするとその姿は見られない。

　囚われていた1983年の雛見沢から1年。1984年の6月8日からスタートする。沙都子と梨花がセーラー服を着て学校に通っている。魅音が取り寄せてくれたという制服にまだ慣れないと言いながらもいつも見慣れた服装よりもだいぶ成長したように見える。

　学校では魅音がおらず、圭一が委員長を務めている。お昼は魅音はおらずともいつものメンバーでお弁当をつつきあっているようだ。

　魅音はこの分校を卒業し、興宮の学校に通っているらしいが卒業してからめっきり顔を合わせることが少なくなっているらしい。会おうと思えば会える距離だが毎日のように顔を合わせていたころとは確実に環境が変わってしまっている。

　一般的な学校では進級や進学でクラス替えがあるのが普通だが、この雛見沢の分校は特殊なのだ。部活メンバーとしての絆は変わらないし、この部活の精神は分校が続く限り伝えていかなければ、と圭一は意気込んでいた。

　放課後になると魅音がいた頃のように部活は行われるが、下級生を相手にしたイカサマ禁止の部活はあの時のようなヒリヒリとしたスリルはない健全なものになっていた。

　梨花は部活の途中で綿流しの奉納演舞の練習があるといって先に帰宅することに。沙都子もそれに付き合うが、練習というのは嘘だった。二人は今の部活が物足りず、かといって後輩のことを考えて行っている圭一やレナの気持ちもわかるから部活が変わっていくことも仕方がないと考えていた。

　この一年で雛見沢も自分たちも随分変わったとしみじみと感じながら、二人は手をつないで家に戻り、入江の検査結果を聞きに診察所へと向かった。

　制服がメイド服でないことを嘆く入江を制して審査結果を問うと、この1年で発症レベルが劇的改善を見せ、日々の注射が3本から1本へ減っていたのが今回の結果をへて注射が必要なくなったと告げられた。それは検査結果に陰性が出たことを示していた。

　沙都子が発生していた雛見沢症候群が完治したというのだ。一度発症したら症状を押さえることは出来ても完全に治すことは出来ないといわれていたのがまさかの完治。これは何かがあるのではないかと梨花は不安を覚える。

　だが入江曰く、沙都子と同じような回復傾向が村全体に当てはまるのだという。時期的に1年前からその傾向が強くなっているというが入江にも原因はわからないという。

　梨花はこの検査結果を受けて、お魎と公由と共に集まり彼らにお願いをした。それは綿流しの祭りの日にあることを行いたいというものだった。公由はそれに賛成してくれ、お魎は勝手にすればいいと賛成も反対もしなかった。

　この言葉を受け、綿流し当日。奉納演舞を終えた梨花の元に公由とお魎が現れ村人たちに向けて言葉を発した。

　過去雛見沢で起こったダム戦争。この傷跡が今も残っていることについて言及した。戦争がおわってもなお残るこの空気で村がよどみ、それをオヤシロ様も心を痛めているという。だから今、この場でダム戦争とそれに起因する因縁の終結を宣言する。と御三家が発したのだった。

　梨花は続けて、村人だったら誰もが一度はきいたことがあるであろう、外敵を祟り、外に出ていくものを祟るという言い伝えもそんなことはなくオヤシロ様は祟りなど起こさないと断言した。この宣言によって、御三家は村に新しい風が吹くことを期待しているようだった。

　祭りの翌日、梨花は沙都子に一緒に買い物に行ってほしいと興宮まで同行を求める。買い物に付き合うのはやぶさかではない沙都子を連れ、向かったのは興宮にある本屋。料理の本でも買うのかと思った沙都子だったが、梨花が沙都子に見せたのは学習参考書の棚。

　梨花はずっと内緒にしていた夢があり、それを沙都子と一緒にかなえたいと聖ルーチア学園の資料を差し出した。それは、村から出たいという梨花の思い。この発言から沙都子のあの変貌に繋がっていくのだろうか？

　今回大きな事件は起こらなかったけれど、今まで見たことがなかった未来の日常が垣間見え、梨花が望んだように少しずつ変化をしながら成長していっていたがここからどんな惨劇が生まれてしまうのかと考えるとずっとハラハラとしてしまった。

　郷壊し編、は沙都子が壊れてしまうのか沙都子が壊してしまうという意味なのか、何にせよ次回が気になって仕方がない。