川崎の高校生死亡事故「ラップバトルで罰ゲーム」報道の是非 『ヒプマイ』ファンの「風評被害」には疑問の声も

『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』公式サイトより

 19日夜、神奈川県川崎市の高校1年生の少年が多摩川に飛び込み、死亡する事故が起きた。

 神奈川県警の発表によると、「友人が多摩川大橋の橋脚から落ちた後、沈んで浮かんでこない」との119番通報があったという。当時、少年は河川敷で中学時代の同級生ら5人とラップのスキルを競い合う「ラップバトル」をしており、多数決で最下位になった少年は「最下位になった人が橋から川に飛び込む」という罰ゲームとして高さ約5メートルの橋脚から川に飛び込んだという。少年は約1時間半後に川底で見つかり、病院で死亡が確認された。

 あまりにも悲しいこの事故はさまざまなメディアで報じされているが、その見出しには「ラップバトルの罰ゲーム」という言葉が並んでいる。ネット上では「ラップバトルをしていたのは事実だし隠す必要がない」という意見がある一方で、「ラップバトルが悪い訳じゃない」「問題はその後限度を超えた罰ゲームを提示して誰1人止めなかったのかってこと」「これでまたラップバトルやHIPHOPに偏見を持つ人や抵抗を感じる人が増えてしまう」といった反発の声も多く上がっている。

 オタク界隈でも、近頃爆発的な人気を見せている音楽原作キャラクターラッププロジェクト『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』(以下、ヒプマイ)のファンたちが「ラップバトル」のワードに反応。「ヒプマイに対する風評被害」「関係ないカルチャーごと地獄に叩き落とすの良くない。迷惑」「事件が起きる度に『犯人はアニオタ』って報じる風潮みたいで不愉快」と声を上げている。

 とはいえ、「リアルヒプマイじゃん」「ヒプマイの影響?」という声には、「不謹慎すぎる」「川崎は元々ラップが盛んでヒプマイが流行る随分前からやんちゃ系の若い子達にはラップが身近にある」「オタクじゃない一般人からすればヒプマイは『全く知らない何か』でしかない」「声を上げることでかえって誤解される」と拒否感を示す声も少なくなく、ファンが過剰に反応しすぎている感は否めないだろう。 

 なお、『ヒプマイ』の楽曲制作にも携わっているラッパーのZeebraはTwitterで、今回の事故について、「あまりにも悲しい出来事に心が痛いです。自分世代は『ヒップホップの精神が伝え損ねたが故』と思いますが、ここでいうヒップホップの精神も我々世代と今の世代では乖離があり、本場アメリカでも昔は反対の立場であったハードドラッグで命を落とすラッパーが後を絶ちません」とツイート。

「常に革新される事を良しとするカルチャー」「問題が多かったからこそ状況を正すという行為が革新的だった」などとしながら、「我々がまず向き合わなくてはいけないのはそもそも今のヒップホップが正しいのかという事。上の世代も上から目線ではなく、下の世代も何でも『老害』と切り捨てずに考えていけたらなと思います」と、ヒップホップ文化の精神を伝えることの必要性について語り、「もう若いラッパーが死ぬのを見たくありません。被害者の方のご冥福をお祈り致します」と悼んでいる。

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