ドラマ『まだ結婚できない男』第8話――愛情よりも深い? 目には見えない男同士の絆 桑野が結婚式で語ったこととは

フジテレビ系『まだ結婚できない男』番組公式サイトより

 人によるのかもしれないが、私自身、不特定多数の大勢の前で話すのは、意外と平気なものである。誰にどう思われようと、その後の自分の生活に影響が出るわけでもないし、話してしまえばそれで終わりだ。気楽とまではいかないが、度胸で乗り越えられる。

 やっかいなのは、中途半端に繋がりのある人たちの前で話す時だ。人数はそれほどでもなくとも、知っている人がそれなりにいて、みんなが自分の言葉に注目する。終わった後も、その感想や批判などが、漏れ伝わってくるぐらいの関係性、これが難しい。その最たるものが結婚式のスピーチだろう。

 ドラマ『まだ結婚できない男』(フジテレビ系)第8話。今回桑野(阿部寛)は、共同経営者である英治(塚本高史)の結婚式でスピーチをすることになる。

■桑野流SNSとの付き合い方

 桑野は、ネットで自分を批判するサイトが注目されないようにと、SNSを始める。初めは何を載せたらいいのかと悩んでいたが、やがてその写真に凝り始める。照明を当て、何度も撮り直し、完璧な画像を仕上げるのだ。あいかわらずこだわりの強い桑野らしい。

 私もSNSはやっているが、Instagramは投稿したことがない。文字で表すTwitterは書くことが思いつくのだが、画像になると今ひとつピンとこないのだ。世代的になじまないのか、個人の嗜好によるものかはわからないが、あまり載せたいような写真が見つからないというのもある。

 それと、理由はもうひとつある。桑野のように、写真は凝りだすときりがないように思うのだ。いいカメラが欲しくなったり、照明や画像加工アプリが必要になったりすると、お金がいくらあっても足りない。自分が、ハマりだすと見境なくお金を使ってしまう性格だということもわかっているので、どこか自制心が働くのだ。

 さて、桑野の周りでは、英治と桜子(咲妃みゆ)の結婚話が着々と進んでいた。長い間一緒に仕事をしてきた関係として、式に出席して欲しいと頼む英治に、桑野は「検討する」とつれない返事をする。

 結婚していない身として、知り合いの結婚式に出るのは、たしかに釈然としないものはある。若いうちは、「いずれ自分が結婚したときには来てもらえるから」というような意識もあるが、もう自分は結婚しないだろうと考えているのに、他人のことを祝福するのはどこか納得できないのだ。「こっちばかりご祝儀を出して」などと細かいことを言うつもりはないが、ずっと独身でいるこっちをよそに、2回目の結婚をして、2回とも式に呼ばれていたりすると、さすがに「なんだかなぁ」という気持ちにもなるのである。

 結婚式に出るかどうかと考えていた桑野に、新たな問題が降りかかる。妹の圭子(三浦理恵子)と、その夫で友人でもある良雄(尾美としのり)に呼び出された桑野は、彼らの娘・ゆみ(平祐奈)がメイドカフェで働いているらしいと打ち明けられる。圭子たちは、彼女を説得して、そこで働くのを辞めさせてほしいと言うのだ。

 断りきれずに引き受けた桑野は、ゆみが働いているというメイドカフェに行ってみる。萌え系のメイドとオタクが集まった中に、居心地悪そうに座る桑野はなかなか面白い絵面だった。そして、平祐奈のメイド姿は、ファンにとってはたまらないサービスショットだったのではないだろうか。

 桑野を外に連れ出したゆみは、「迷惑かけてごめん」と謝る。これは、自分が迷惑をかけたというより、両親が頼っていったことについて謝っているのだろう。やはり、ゆみは桑野に対して、心を開いているようだ。彼女がメイドカフェで働いていたのは、アメリカに留学する費用を貯めるためだったのだ。

 そのことを伝えに行った時の桑野と良雄の会話は、男同士の友情を感じさせるものだった。桑野は、姪であるゆみのためもあるだろうが、友人である良雄のために一肌脱いだといったところではないだろうか。

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