ドラマ『まだ結婚できない男』第4話――「大人になった子ども」の親との付き合い方

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フジテレビ系『まだ結婚できない男』番組公式サイトより

 

 いつの時代も、親との関係というのは難しいものだ。

 一人で生きることに魅力を感じ、親戚や友人との関係を極力減らしたとしても、親との関係まで断てる人というのは稀だろう。なぜなら、多くの場合、親に対しては、産み、育ててもらったという負い目があるからだ。そして、自身が成長していく中で親離れの気持ちが進む一方、親から見れば、自分の子はいくつになろうとも「子ども」なのだ。そのような状況で、良好な関係を続けるというのは、かなり難しいことだと思う。

 ドラマ『まだ結婚できない男』(フジテレビ系)第4話。今回は、桑野(阿部寛)と、母・育代(草笛光子)の関係がテーマとなった。

■突然始まった母との同居生活

 ある日、桑野の元に、姪のゆみ(平祐奈)から電話がかかってくる。桑野の母・育代の自宅が水漏れし、娘である圭子(三浦理恵子)たちの家に来たものの、圭子と喧嘩してしまったため、桑野の家に行くかもしれないというのだ。

 慌てる間もなく訪ねてきた育代を、桑野は居留守を使って追い返そうとする。しかし、隣の部屋に住む早紀(深川麻衣)によって、部屋にいることがバレてしまい、渋々母親を部屋に上げることになった。

 桑野の「部屋に他人を入れない主義」という気持ちはよくわかる。私の部屋は、桑野とは違って散らかり放題だが、不思議と何がどこにあるかはだいたいわかっている。その意味では、他の人に部屋にあるものをいじられたくないという気持ちは一緒なのだ。

 そして、もう一つ挙げられるのは、「他人に見られる用」に部屋を作るのが面倒だということ。多くの人が感じているだろうが、他人の目を意識すると、見られたくないものや、より良く見せたいものなどがどうしても出てくる。それに合わせて部屋を作ると、今度は自分の暮らしやすさが失われていくのだ。独身一人暮らしの私から見れば、結婚している人や他人と一緒に暮らしている人は、そのあたりどう折り合いをつけているのか不思議でならない。

 さて、育代は水漏れの工事が終わるまで、4~5日桑野の家にいることになった。桑野は、部屋に設置したWebカメラを使って、事務所から母親の行動を見ていた。勝手に部屋の掃除をしている母親の姿に、気が気ではない。

 そんな桑野だったが、水漏れ工事の費用の件で、育代を連れ弁護士の吉山(吉田羊)の元を訪ねる。吉山が独身だと知った育代は目を輝かせる。

 どうやら育代と吉山は気が合うようだ。このあたりは、前作の早坂先生(夏川結衣)との関係にも近いものがある。有希江(稲森いずみ)が店長を務めるカフェで話していても楽しそうだ。そこに、桑野の共同経営者・英治(塚本高史)と、仕事仲間の桜子(咲妃みゆ)もやってきて、桑野の話をし始める。それを聞いて育代は何を感じただろう。一見悪口のように聞こえる話ではあったが、桑野を慕い、話題にする仲間たちの声に、実は安心したのではないだろうか。

 別れ際、吉山は育代に言う。「自分の母親といるよりも落ち着く」。女性と母親の関係というのは、男性の場合とはまた違うのかもしれない。ライバルのような、友だちのような、そんな感覚。残念ながら、男の私には、想像することしかできないが、少し距離をおいた「母親」との関係に吉山は気づいたのかもしれない。

 実はこのドラマでは、他にも二つの母娘関係が描かれている。育代と圭子、そして圭子とゆみだ。それぞれ心配しながらも、どこか割り切った関係にも見える。男性とは違い、本音と建前をうまく使い分けているといったところだろうか。

 その夜、ゆみが育代の様子を見に訪ねてくる。嫌がる息子の手前、ゆみを部屋に上げるわけにはいかない育代は、ゆみとともに偶然通りかかった早紀の部屋に上がり込むことになった。ベランダに並んだ3人の女性。今まさに旬の活躍を見せる深川麻衣と平祐奈、そして間には芸歴60年以上の名女優・草笛光子がいるのだ。なかなか見ごたえのあるショットだった。

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