『月がきれい』10話 仲違いから仲直りで激しいキス! 感情の高低差で耳キーンてなるわ

■炸裂! 久々の“電灯の紐パンチ”

 Bパートは2人のすれ違い。比良と茜の姿を見た小太郎は不機嫌になっていた。茜と落ち合っても苛立ちを隠さない。「いも恋」が2人のすれ違いを端的に表す小道具として使われている。

 茜は告白されたこと、それを断ったことを説明するが、「なーんだ、そうだったの」と笑顔を返せるほど中3は人生経験を積んでいない。こういうとき感情の高ぶりを制御できない気持ちはよくわかる。なぜかとても残酷になる。穏やかな気持ちで甘い時間を過ごすだけが恋じゃない。これも恋の一部分である。

 小太郎は茜を置き去りにして祭りに戻ってしまう。賑やかな場所ではこらえていたのに、人がいない場所に来たら涙をこぼして嗚咽する茜の姿を見ると胸が痛くなる。

 小太郎の表情は天狐の面に隠れていてわからない。自分でもどんな感情かわかっていないだろう。夜、部屋で久しぶりに渾身の電灯の紐パンチを繰り出す小太郎。一瞬で電灯が消える。茜の引っ越しと寂しさ、茜が男と2人でいたことへの嫉妬、茜に対する仕打ちへの後悔……。いろいろな感情がないまぜになっているのだ。この一連のシーンをBGMなしで描ききっている。

■茜からのキスに視聴者絶叫

 翌日、教室では気まずい気分の2人だが、小太郎は図書室で「べにっぽ」を弄り、笑顔で「よし」と呟く。なぜ笑顔になるのか? 理由はすぐにわかる。小太郎は茜の引越し先である千葉の高校を受験することに決めたのだ。たぶん、この瞬間に。

 小太郎の意図を理解した茜は、塾の帰り道、ダッシュで追いかける。さすが陸上部、脚がめっちゃ速い。千葉の高校までは川越から片道2時間かかる。小太郎の両親も反対するだろう。でも、それだって説得するつもりだ。「説得する」と聞いた瞬間、茜の頬が赤らみ、瞳が潤む。小太郎の深い愛情を感じているのだ。

「考えて決めた。ずっと一緒にいたいし、本気だから」

 小太郎は恋心を意志のもとに行動に移し、それを言葉で相手に伝えることができる男だ。そして茜には小太郎の言葉を聞いて、胸に飛び込んでいける素直さがある。2人の恋がうまくいかないわけがない。

 気持ちが高まった茜は、小太郎に勢い良くキス! その瞬間、視聴者の絶叫が深夜の関東地方に響き渡った――。2人が、ちゃんと最初にキスした川越氷川神社のそばにある氷川橋にいるのも心憎い。今週の体感も5分程度だった。それだけ無駄のない構成ということなのだろう。

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