『月がきれい』8話 夏祭り、今日から“ちゃん”付け呼び、そしてキス。究極の恋テロアニメに今週も地獄を見た

──「ありえんキレた」「爆発しろ!」「壁! 圧倒的に壁不足!」などと今宵も阿鼻叫喚の嵐を巻き起こした『月がきれい』(TOKYO MXほか)。中学生の純愛を描いているだけなのに、なぜこんなに人の心を弄ぶのか。まさか「♯恋テロ」が公式になるとは思わなかったライター・大山くまおが全話レビュー中。フライングドッグ南健プロデューサーへのインタビューもあわせてどうぞ。*ここまでのレビュー

『月がきれい』8話 夏祭り、今日からちゃん付け呼び、そしてキス。究極の恋テロアニメに今週も地獄を見たの画像1『月がきれい』公式サイトより

■やっぱり2人は前回ちゃんとキスしていた!

 前回の第7話で三角関係、四角関係に終止符を打ち、クラスメイト公認のカップルとなった小太郎(演:千葉翔也)と茜(演:小原好美)。ひょっとしたらこの後、振られた千夏(演:村川梨衣)や比良(演:田丸篤志)らの復讐やクラスの女子たちからの陰湿ないじめなどがあるんじゃ……とダークな展開を迎えるのでは、と予想していた視聴者も多かった模様。

 しかし、そんな心配は無用だったようだ。夏休みの登校日、小太郎の友人のろまん(演:筆村栄心)と小笠原(演:金子誠)は盛大にからかってきたし、茜の友人の女子グループは興味津々といった感じ。千夏は心に多少のわだかまりはあるかもしれないが、それを押し隠して普通の友人に戻り、比良は登場しなかった。今後も小太郎・茜のカップルとクラスメイトとの関係は良好なままだと思う。

 小太郎が冒頭で引用した「愛は、この世に存在する。きっと、在る。見つからぬのは、愛の表現である。その作法である」という言葉は、太宰治のエッセイ『思案の敗北』から。なんとも意味深なタイトルである。そういえば、7話で2人はやっぱりちゃんとキスをしていた。前回のレビューで指摘したとおりだ。

■制汗スプレーが示す茜の恋心

 相変わらず小太郎と茜の仕草が細かい。教室では、今まで意識して避けていた2人が視線を交わし、周囲の反応を感じて頬を赤らめながら視線を外す。クラスは一瞬静かになるが冷やかしの声などは上がらない。これだけで、2人が付き合っていることがクラスの中で受け入れられはじめていることを示している。

 茜は夏休みの部活の後、小太郎と会う前に汗の匂いを気にして制汗スプレーを使っているのもポイント。セリフもない、わずかなシーンで、茜の恋心や健気さなどを示している。ついこの前まではジャージ姿で出かけて外食しても平気な娘だったのに!(それはBパートの浴衣姿にもつながる)

 祭りの稽古中の小太郎を見ている茜の表情は、まごうことなき恋する乙女。7話が恋愛感情を態度で示した小太郎サイドの高揚を描いたエピソードだとすると、8話は茜サイドの静かな胸の高鳴りを描いていると言っていいだろう。7話と8話は一対になっている。

『月がきれい』8話 夏祭り、今日から“ちゃん”付け呼び、そしてキス。究極の恋テロアニメに今週も地獄を見たのページです。おたぽるは、アニメ作品レビューの最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!

- -

人気記事ランキング

XLサイズ……
XLサイズって想像できないだけど!!