『月がきれい』6話 千夏「私、告白していい!? ちゃんと諦めたいから!」ってそれは親友の恋人ですよね

■外部の敵に晒される小太郎と茜

 今回の恋テロポイントは、図書館での指切りと深夜のLINE。隠れるようにして書棚と書棚の間のちょっと狭いところに座り、「一緒にがんばろ」と茜のほうから(!)指切りを持ちかける。終わった後、2人で照れてるけど、見ているこっちのほうが照れる。

 茜は陸上で惨敗、小太郎は小説のことで編集者(門山出版は飯田橋にある角川第三本社ビルそのものだった)に酷いことを言われた日の夜。思い悩んだ末、小太郎が送ったLINEはシンプルに「会いたい」。それを受け取った茜は「わたしも」と即レス。気持ちが通い合っている。

 翌朝、それぞれ壁にぶつかっている現状を話し合った2人は、再起を目指してもう一度指切りをする。この指切り、2人はこれから忘れないんじゃないかなぁ。

 6話は起承転結でいったら「転」の初回。これまで少しずつだけど順調に、ひそやかに積み重ねてきた小太郎と茜の恋愛が、これから外部の敵に晒されることになる。それは千夏だけでなく、受験であったり、伸びない陸上の記録であったり、「才能がない」と言われてしまった小説だったり、小太郎の母(演:井上喜久子)の存在であったりするのだろう。2人は手に手をとって、これらの困難と戦うことになるわけだ。彼らの武器は「好き」という気持ちと「2人でいること」である

 今週の挿入歌はレミオロメンの「3月9日」。あえて2番を流したのは、「上手くはいかぬこともあるけれど 天を仰げば それさえ小さくて」という歌詞が今回の2人の状況とマッチしていたからだろう。

「瞳を閉じればあなたが まぶたのうらにいることで 
どれほど強くなれたでしょう あなたにとって私もそうでありたい」

 たとえ離れ離れでも、好きな人がいれば強くあれる。人ってのはそういうものなのだ。

 といったところで、次回は総集編! 2週間待とう! あと、美羽とつきあってる稲葉、がんばれ! あと、田中さくら、意外と人気ある!
(文/大山くまお

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