■オタク文化によって生き残っている街
―― 今回初めて日本橋に来たのですが、駅からのアクセスがちょっと悪いなって感じたり……。
中田さん 交通の便はめちゃくちゃ悪いんですよ。最寄駅は地下鉄しかないし(なんば駅、日本橋駅、恵美須町駅)。JRと阪急は通っていませんし。なのに、生きている商店街は珍しいなと思います。オタク文化やポップカルチャーのおかげで、まだこの街が死なずに成り立っているのかもしれないですね。もう白物家電屋さんは1軒も残っていない状況ですから。
―― 1軒も残っていないんですか!?
中田さん 黒物家電は残っていますが、白物家電を売っているところはないですね。やはり大型家電店や通販サービスが出来てから、流れが変わってしまったので。
―― そうなるとなおさら、オタク文化によって残っている街なのかもしれませんね。
中田さん 人が人を呼んだり、お店がお店を呼んでいるのもあって。最近は飲食店やホテルが乱立していますね。外国人観光客が増えてから、なおさら。
―― 秋葉原と同じく、日本橋もカレー屋さんとかラーメン屋さんがよく目につくなと思ったのですが、秋葉原で言う「おでん缶」のような、日本橋ならではの食べ物はありますか?
中田さん 変わっているので言うと、オタロードにあるエビ焼き屋さん(なにわ海老丸本舗)ですね。タコじゃなくてエビが入っている。あとは大阪ってのもあって、やっぱりたこ焼きは多いですね。
―― オタクの街にあるということで、オタクに寛容な店もあったりするんですか?
中田さん 多いですね。何か企画やる店もありますし。あと日本橋は、昔の名残が色濃く残った場所があって。「日本橋商店会」という古い長屋みたいなところがあって、ここに最近はおしゃれなカフェやギャラリースペースできて、サブカルみたいなエリアになっているんですよ。面白いスポットになっていますね。
―― ほかにオススメのスポットはありますか?
中田さん 手前商売になるんですけど、弊社のジャングルが面白い店を作りまして。メイドカフェ(メルカフェ)の2階にある「Fickle Wish」というお店なんですが、男性入場NG(カップルだとOK)の完全女性向けのハンドメイド雑貨店です。そういう店が流行ってくれたらいいのになって思っています。
―― 写真を見ると、原宿の“KAWAII”を意識したイメージですね。
中田さん そうです。大阪に住むイラストレーターの原田ちあきさんとコラボして、メイドカフェのほうでコラボメニューを出したり、イラスト展示をしたのですが、それには女性客がかなり来てくれました。
―― オタロードを巡ったのですが、秋葉原と違って「ゲーマーズ」「とらのあな」「コトブキヤ」「アニメイト」「らしんばん」といったオタク専門店が一点に集中しているのが、買い物に便利そうでいいなと。
中田さん 狭いエリアに密集しているのは、秋葉原との違うところですよね。観光客の方にとっても巡りやすいと思います。
―― 日本橋が電気屋からオタクの街へと変化していったように、街は変化していくものだと思いますが、日本橋はこれからどんな街になると思いますか?
中田さん 大阪は外国人観光客がすごいスピードで増えているので、日本橋も外国人向けに500店以上の専門店が集まるショッピング街として売り出していきたいと考えてはいます。なので、その認知が広がってくれればうれしいですね。アクセスが悪い部分もありますが、もちろん東のオタクの方にも来てほしいです。外から人が来てなんぼの街なので。
―― 最後に、東のオタクに向けて一言お願いします。
中田さん 街もですが、楽しんでもらえるのは「日本橋ストリートフェスタ」だと思います。「日本橋ストリートフェスタ」は、なかなか関西に来る機会がない人でも来るきっかけのイベントだとは思うので、楽しんで帰っていただければと思います。
* * * * *
インタビューのあと街を歩いてみたが、すでに完成されつつある秋葉原と比べ、昔ながらの電気屋が多く残る日本橋はオタクの街としてまだまだ成長途中であることを感じさせた。
ちなみに、前回の「第13回日本橋ストリートフェスタ」では、大阪が舞台のアニメ『ハンドシェイカー』とのコラボが展開されていたが、中田さんに聞いたところ、「大阪が舞台のオタ向け作品はあんまりないですね……。あとは『じゃりン子チエ』しか(笑)」とのこと。大阪が舞台のアニメがもっとあれば、聖地として日本橋も盛り上がりそうなのだが。
なお、「日本橋総合案内所」に行けば店などの詳細が載ったマップをもらえるので、日本橋に訪れた際は活用してみては。
(編集部)
オタク文化があるから生き残っている街だった!? “東京オタク”が西のオタク街「日本橋」を調査してみたら……のページです。おたぽるは、アニメ、話題・騒動、秋葉原、日本橋、オタロードの最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!
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