「無意味な規制をまだ続けるのか」堺市の“先走りエロ本規制”に、出版業界が申し入れ書を送付

「無意味な規制をまだ続けるのか」堺市の先走りエロ本規制に、出版業界が申し入れ書を送付の画像1「竹山おさみ連合後援会」公式サイトより

 3月から堺市が独自に開始したエロ本規制が迷走を極めている。

 この規制は、堺市が参加している国連UN Women(ジェンダー平等と女性のエンパワーメントのための国連機関)が取り組む「セーフシティーズ・グローバル・イニシアティブ」の具体的施策として始まったもの。

 このために、堺市では予算を投じて独自に定めた12センチ幅のフィルムなどを制作、コンビニなどに「有害図書類を青少年に見せない環境づくりに関する協定」を呼びかけた。これに応じたのが市内のファミリーマート。3月16日以降、市内の84店舗中11店舗で、フィルムで包装する「目隠し」が開始されている。

 この新たな規制に対して、出版業界は強く反発。日本雑誌協会と日本書籍出版協会は連名で「図書を選択する自由を奪い『表現の自由』を侵害する行為。大阪府の青少年健全育成条例も逸脱している」として公開質問状を送付した。

 ところが、堺市は「民間の取り組みで、離脱することもできるので」などとして、あくまで行政による規制ではないと責任逃れの回答に終始。これに加えて、堺市の竹山おさみ市長はTwitterで公開質問状を「失当」=的外れと記すなど、挑発とも取れる態度を示した。

 堺市の方針は、規制の対象を「各出版社が小口のシール2点止めの自主規制を行っている雑誌」として、出版社の自主規制にタダ乗りするという、極めてずさんなもの。これに対して、筆者の取材に応じた日本雑誌協会編集倫理委員長の高沼英樹氏は「これは、声明を出して終わる問題じゃない! 徹底的にやりますよ」と怒りを露わにしていた。

 そして21日、出版業界からの新たな動きとして、日本雑誌協会と日本書籍出版協会は、協定に対する申し入れ書を送付。今回の申し入れ書では、堺市のフィルム包装が大阪府の条例で定められた有害図書の範囲を逸脱し、有害図書ではない自主規制の雑誌に、規制をかけていることを厳しく指弾。「このような間違ったフィルム包装を即刻取りやめることを求め、その前提となる協定の解除を強く申し入れます」としている。

 この協定をめぐって、もっとも問題となっているのは、堺市が「有害図書」についての知識を持たないままに、先走った規制を行ったこと。ここからは、人権問題に取り組んだフリをしたい堺市の意識が明らかになってくる。果たして堺市がどのような対応を取るのか、引き続き状況を見守りたい。
(文=ルポライター/昼間たかし http://t-hiruma.jp/

「無意味な規制をまだ続けるのか」堺市の“先走りエロ本規制”に、出版業界が申し入れ書を送付のページです。おたぽるは、芸能アイドル&声優の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!

- -

人気記事ランキング

XLサイズ……
XLサイズって想像できないだけど!!