――では、原作小説を最初にご覧になったときのご感想を教えてください。
青井 1巻だけ読んだときは、物語の設定が複雑なのと、語りが重要な作品なので、それを映像表現するとどうなるのかなとも思ったんですけど、そのまま2巻3巻と読んでいくと、手が止まらなくなるというか。どんどん続きが気になって、一気に読んじゃいましたね。
やはり、構成がすごく面白い。様々な伏線があって、それが紡がれていく、明らかになるっていう流れが本当に美しいし、全7巻という形で最後今までの伏線が繋がり、ラストにまでのまとめ方が素晴らしいなと。全体の文章も美しいし、キャラクターの一人ひとり、特にメインの浅井ケイと春埼美空と相麻菫の3人がピュアで眩しいくらいに美しい。自分はもういつか忘れてしまったようなピュアな気持ちっていうのが描かれていて(笑)。
――登場するキャラたちみんなが純粋ですよね。
青井 それぞれにちゃんとした想いがあるんです。主人公と相対するキャラもいるんですけど、みんな別に悪くないんですよ。咲良田の住人はピュアな美しい心を持つ人たちで、それが特殊能力とともに重なり合っていくっていうところが非常に面白いなと思ったんです。これを映像で丁寧に描いたら、とてもいい作品になるんじゃないかなと。
一方で、先ほども言ったように、語りをすべてアニメで表現するのは難しい。そこだけを表現するのなら、そもそも書籍でいいんじゃないかなという話ですよね。音楽や背景、キャラの表情で『サクラダリセット』の世界観をどうやって表現するかっていうのがポイントで。やっぱり読んでいるときは頭の中のイメージだけなので、映像で見せると、また違った入り方もあるので、そういった意味では料理のしがいがあるんじゃないかと思います。
■アニメでは第3巻の内容からスタート!?
――原作を読む前は『時をかける少女』のような青春ラブコメ作品のようなイメージがあったんですが、実際に読んでみると、いろんな能力が出てくるSF的な面白さと、構成がきっちりしていてパズルがはまっていくような心地よさがあるなと感じました。
青井 仰ってくれたように、読みながら、映像を見ながら、パズルのピースをはめていく感じで、それが埋まっていくような爽快感を一緒に味わえると思います。
実は、アニメでは3巻から物語が始まるんです。『サクラダリセット』って7巻通して読むと、非常にロジカルな話なんですよね。シリーズ構成の高山カツヒコさんもロジカルな方なので、組み替えてやるんだったら、地続きでやるよりあえて3巻からやるほうがいいのではないかと。
3巻は中学生編から物語が始まって、中学生のときに、浅井ケイ、春埼美空、相麻菫が出会ったころの話なんですよね。そこで3人がどのように関わっていくのか、出会ってから2年後現代に戻って1巻、2巻でと話が続いていきます。実質3巻は回想で中学生編がメインなのですが、まず3巻で3人がどのように出会ってケイが美空の信頼を勝ち取っていくのか、菫がいなくなる時、2人が傷を負って、高校生に成長して奉仕クラブを行っているというほうが、ドラマが乗りやすいというか。見ている人が感情移入しやすいじゃないかと思ったんです。
ケイと春埼が出会い、「リセット」がこういう能力だというのが提示されて、2人で力を合わせることでリセットの能力が成立するんだっていう過程が一緒に映像体験できるので、物語が入りやすいし、1巻から同じシーンを描いても見え方が全く変わるんですよね。
大胆なアレンジに、原作者・河野裕氏太鼓判! 新たなタイムリープアニメ傑作誕生の予感!! TVアニメ『サクラダリセット』プロデューサーインタビュー!のページです。おたぽるは、インタビュー、アニメ、話題・騒動、悠木碧、花澤香菜、石川界人、インタビュー、david production、アスミック・エース、青井宏之、サクラダリセット、川面真也、河野裕の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!
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