大胆なアレンジに、原作者・河野裕氏太鼓判！　新たなタイムリープアニメ傑作誕生の予感!!　TVアニメ『サクラダリセット』プロデューサーインタビュー！

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どんなことも決して忘れない「記憶保持」の能力を持つ主人公・浅井ケイ（演:石川界人）

■原作者・河野先生も納得の脚本に

――中高生などの若い方で普段SFを読まない人が読んだら、それでも情報量が多いんじゃないかと感じました。

青井　多いですね。アニメもそれでも情報量が多いと思います。やっぱり「リセット」という能力が、単純に3日間戻るんじゃなくて、厳密に言うと再構成という設定ですから。僕らも時系列がズレていないか慎重に確認しながら進めていました。

――このキャラはこの時点でこのセリフを聞いていたのか、いないのかと、ちょっと混乱しますよね。でも、そこをわかりやすく、物語を再構築されていると。そのあたりは、高山さんや川面真也監督のアイディアだったのでしょうか？

青井　高山さんのアイディアだったんですが、全体の構成を組み替えるっていうのは、原作を大きくいじるということになる。もちろん、原作者の河野さんに相談させていただいて、「こっちのほうが理にかなっている」と、3話から始まることに対して好意的だったんです。「全部消化していくんだったらそのほうがいいんじゃないですか」との言葉をいただけまして。

　なので、原作ファンの方も違った見方ができるかと思います。もちろん基本的には原作に忠実なんですけど、こういう見方、見え方を提示することで、別の『サクラダリセット』として「サクラダってこうなんだ！」と楽しんでいただけるとうれしいなと思いますね。

――ちなみに河野先生はキャラクタービジュアルやキャラたちの声については、イメージはお持ちだったのでしょうか？

青井　基本はアニメの制作サイドにお任せいただけました。ただひとつ、原作のイラストの椎名優さんの絵のイメージを無視するような形はやめてほしいと。もちろんこちら側としてもそれをするつもりはありませんし、アニメーション制作のdavid productionさんやキャラクターデザインの下谷智之さんをはじめ、原作をリスペクトして、やりたいという人たちなので、それをないがしろにすることはないので安心して進めていただきました。

　もちろんシナリオは毎話ごとにご確認いただいてご意見をいただいています。それを反映させてブラッシュアップして、肉付けをしながらよりいいものを作っていくといった形ですね。

無表情で感情をほとんど表に出さない春埼。

■主要キャスト3人はオーディションで決定！

――お話にあがったdavidさんや、川面監督、高山さんといったスタッフワークについてもお話をお伺いしたいです。まず、davidさんといえば、『ジョジョの奇妙な冒険シリーズ』というイメージもあるかと思いますが、davidさんに制作をご依頼された経緯を教えてください。

青井　davidさんとは『planetarian』（16年7月にweb配信アニメ『ちいさなほしのゆめ』、同年9月公開の劇場版アニメ『星の人』の2作で展開された）でご一緒しまして。原作を非常に大切にされていますし、それをプラスアルファの要素でアニメーションとして昇華してくれるというところが大きいですね。davidさんと一緒にやりましょうという話になった中で、川面監督の話があがりまして。川面監督は、他の作品などでも丁寧に“間”を描く方で、『サクラダリセット』の世界観に合っているのではないかと。まず原作を読んでいただいて、川面監督も快諾いただき、ご参加いただきました。

　高山さんは、物語を非常にロジカルに組み立てられる方なので、『サクラダ』とは相性がいいのではないかと。実は全話の脚本を高山さんが書いてくださっていて、複雑なストーリーですが、齟齬がないようになっています。

　話のトーンとか、どこを抜き出すとか、結局いろんなところに『サクラダリセット』は伏線があるので、別の人がピースを埋めようとすると、別のところに絵が埋まってしまう可能性があるんですよね。同じ人が同じように最後まで配置しながら一枚のパズルを作り上げていくような感じで、高山さんが全部書いてくださっています。ロジカルな部分もうまく抽出してまとめてくださっていますね。

 
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