2016年、真夏の戦いを制したのは──?「AKIBAカルチャーズ劇場」新人公演結果発表会レポート

1609_idol01.jpg「すとゅらみっChu」

 夏は少女を大人にする。

 夏休み前、ただ可愛いだけだった女の子が、2学期が始まって会ってみると、どこか大人びた雰囲気を身にまとっていて妙にドキドキした経験は誰しもあるだろう。

 そんな少女たちの成長をつぶさに見ることができるのが、AKIBAカルチャーズ劇場の『デビュー直前アイドル5組新人公演~真夏のシンデレラたち~2016』だ。

 改めて説明すると、7~8月の夏休み期間中に、月曜から金曜までの各曜日1ユニット、計5組のアイドルがそれぞれ6回の公演を行い、その集客数とグッズの売り上げなどによるポイントで優勝者を決めるというもの。

 2014年に始まり、今年で3年目。優勝者は、10月以降、同劇場での定期公演ができるというシステムである。

 おたぽるでは、今年の7月、公演が始まった当初の各グループの様子をレポートしたが(記事参照)、今回、その結果発表があるということで、改めて取材に伺った。

 9月10日、土曜日。

 定刻の13時に劇場からの挨拶の後、各ユニットのパフォーマンスが始まった。
これで、それぞれの成長を見てもらおうというわけだ。

 まず、トップバッターとして登場したのが、月曜日担当の「すとゅらみっChu」。

 音楽が始まり、メンバーが登場すると、客席の盛り上がりは早くも最高潮になる。7月に見たとき、すでにクオリティが高かったが、この夏の公演を経て、さらにパワーアップしていた。

 2曲目を歌い終わったところで、メンバーの木下菜乃が、卒業を発表。

 静まり返る客席。

 そんな雰囲気を吹き飛ばすように、ラストの1曲「いわゆるアイドル」を披露。ファンも、突然の発表の迷いを吹き飛ばすように精一杯の声援を送る。「新人公演の結果発表」という域を超えて、ファンとアイドルの思いが一体となるような瞬間だった。

1609_idol02.jpg「パンダみっく」

 2番手は、火曜日担当、全員が小学6年生の5人組「パンダみっく」。

 最初の公演では、独特のゆるさが可愛いと感じたが、今回の公演では、かなり大人っぽくなったように感じた。ロック調の曲も、当初は幼さと激しさのアンバランスさを感じたが、皆自分のものにしていて、迫力が増していた。年齢的に、身長が少し伸びた子もいるのではないだろうか。

 特に、2曲目に披露した、相対性理論の「シンデレラ」は絶品。今後、年を重ねていくにしたがって、どのように進んで行くか、見守りたいところだ。

1609_idol03.jpg「@SunCafe」

 続いて、水曜日担当の「@SunCafe」。年長組(15歳、16歳)と年少組(11歳2
名)のバランスが愛らしい4人組。

 他のユニットが、「パワフルさ」や「かっこよさ」を追求しているのに対して、ここは徹底的に「可愛らしさ」を追求しているのが特徴。

 曲もスマイレージの「夕暮れ恋の時間」や天草シノ(CV.日笠陽子)の「アイドルのすすめ」など、アイドルらしいものが続く。

 3曲目の「大好きだ何度でも」では、メンバーが客席の通路に降りてきて、紙飛行機を飛ばすというファンサービスを見せてくれた。

 メンバーであり、プロデューサーでもある石上まひなのアイデアかと思うが、心憎い演出に感心した。

1609_idol04.jpg「ONEPIXCEL」

 木曜日担当の「ONEPIXCEL」は、8月から体調不良で休養している、メンバーの狐塚来愛が欠席のまま、3人でのパフォーマンス。

 歌はもちろん、ハードな曲てのダンスのキレが素晴らしく、完成度が高かった。2曲目の「TONDEKE」では、サビの部分で客席と一緒にフリをしたり、3曲目の「ANALOGANIZE」ではラップを披露したりと、幅広い音楽性が特徴かと思う。

 すでに10月にはワンマンライブも決定しており、固定ファンも多いようなので、今後の伸びしろは大きいように感じた。

1609_idol05.jpg「AIS -All Idol Songs-」

 最後は金曜日担当の「AIS -All Idol Songs-」。メンバーは8人だが、アイドルネッサンスと兼任している宮本茉凜が欠席。

 当初は、新人公演でも優勝経験のある宮本(アイドルネッサンスは14年の新人公演で優勝)がチームを引っ張っている印象であったが、今日は、残りのメンバーだけでしっかりとしたステージを見せてくれた。

 深田恭子の「スイミング」、おはガールちゅ!ちゅ!ちゅ!の「こいしょ!!!」など、アイドルファンにとっては実にいいところを突いてくる選曲と、先輩ユニットである「アイドルネッサンス」譲りのハーモニーの美しさが際立つ。

 可愛らしさとステージングのバランスが良く、一番アイドルらしいアイドルではなかったかと思う。

 以上、各曜日担当のステージを終えたところで、ゲストの登場。昨年の新人公演覇者、「わーすた」が曲を披露する。

1609_idol06.jpg「わーすた」

 今年の出演者が熱のこもったパフォーマンスを見た後だけに、どんなステージになるかと思っていたが、やはりどのグループよりも迫力のある歌とダンスを見せてくれた。

 優勝を果たしてから1年、定期公演を重ねながら、彼女たちは進化することをやめなかったのであろう。

 最後に、出演メンバー全員が登場して、今回の新人公演の感想を話す。

 やはり応援してくれたファンへの感謝を述べる者が多い中、「@SunCafe」は年少組の2人が「この夏は皆さんをニコニコにすることができたので、秋も冬も春も、ずーっとニコニコにしちゃうよ!」と話し、会場のファンをメロメロにしていた。

 そして、いよいよ結果発表。

 システムを再度確認しておくと、各公演の来場者1名につき2ポイント、そして、物販購入1,000円ごとにもらえる「ガラスの靴シール」1枚毎に1ポイント、その合計で、優勝者が決まる。

 まずは、来場者ポイントの発表。各週毎にばらつきはあるが、合計では「AIS」がトップ。そして、それに物販でのポイント数を合計すると。

 優勝は「すとゅらみっChu」!

 ステージ、客席ともに歓声とため息が入り混じった声が上がる。1位と2位の差は、わずか120ポイント程度。激戦であったことがうかがえる。

 公演終了後は、各ユニットによる特典会。

 ファンと交流を図り、優勝を祝うもの、卒業を悲しむもの、そして次への励ましを送るもの、それぞれのファンとアイドルの形が見られた。

 さすがに全ユニットの全公演を見ることはできなかったが、いずれの参加者も、7月の最初の公演に比べて、強く、たくましくなっていたのは間違いない。

 優勝できなかったユニット、そのメンバー、いずれも今日で終わりではない。今日からまた始まるのだ。

 アイドルグループにとっても、その少女たち一人一人にとっても、忘れられない夏になったことだろう。この夏の経験を経て、彼女たちに素敵な未来が訪れることを、ひっそりと祈った。
(文=プレヤード)

完全なるアイドル

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