■デザインが一新された80年代の金字塔、チェンジロボ
爆発的な人気を誇る『電撃戦隊チェンジマン』(85)に登場するチェンジロボ。作品の世界観もミリタリー色の強い作風からか戦闘機、戦車、ヘリコプターの3機の見事な合体が、スーパー戦隊シリーズのロボットの合体の歴史に新たな風をもたらしました。
ロボットでヘリコプターが用いられるのは珍しく、合体機構を考えると戦闘機、戦車が妥当ですが、ヘリコプターの胴体を半分に分割して胸部、腕部の役割を持たせる発想は立体パズル的な面白さもあり、単純な組み合わせではない現在のロボットの原型と言えます。
有田 合体後も、元の乗り物のディティールがデザインとして残っている点が素晴らしい。
五十嵐 バンダイのお家芸とも言える、機能がデザインを兼ねる、というやつですね。
合体後、太ももに流れる赤い直線のラインは、合体前はチェンジドラゴンが乗るジェットチェンジジャー1の垂直尾翼にもなっていてまさに乗り物の機能がデザインを兼ねる代表的な例です。
『チェンジマン』放送当時の80年代中盤はロボットアニメではリアル志向の作品が多く、『機動戦士Zガンダム』や『超獣機神ダンクーガ』などが放送されていて、そのリアル志向の影響が、チェンジマンの前作『電子戦隊バイオマン』(84)のメカ描写(コックピットにフィギュアを乗せる等)にも見られます。メカである、乗り物である、という巨大ロボットの本懐を前面に押し出すことによって、謎の力ではなく搭乗者の力によって動く説得力を生み出しているのです。
出口、有田氏はともに『チェンジマン』は幼少期リアルタイムで見ていた作品であり、チェンジロボも所有していたことから思い入れも強く、ほとんどの会話が「すげー!」と「カッケー!」で成立していました。
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