手塚治虫「アニメーションは本来、テレビや漫画や劇映画とは一線を画す」 第16回広島国際アニメーションフェスティバルは30周年記念誌にも注目!

 第16回広島国際アニメーションフェスティバルが、8月18日から22日に開催される(JMSアステールプラザ)。公式サイトでは7月13日に会期中の各プログラムを配したタイムテーブルを公開。毎回ピクサーの短編上映とセミナーは注目を集めるが、今回は16日から公開が始まった長編映画『ファインディング・ドリー』の併映作品『ひな鳥の冒険』(英題『PIPER』)の上映とセミナーの時間も設けられている。

1607_hirosima02.jpg画像:広島国際アニメーションフェスティバル30周年記念誌

 広島国際アニメーションフェスティバルは1985年から隔年で開催されてきた。1つの国にスポットを当てた特集上映も見どころになっており、今回は「日本アニメーション大特集」と題したプログラムが27も組まれている。毎回、日本作品を特集したプログラム「現代日本のアニメーション」が用意されている、その「現代日本のアニメーション」も今回は27プログラム中4プログラムと充実している。

「日本アニメーション大特集」の各上映作品としては、長編では『火垂るの墓』『桃太郎海の神兵』『桃太郎の海鷲』『AKIRA』、さらに今年公開されたドキュメンタリー映画『マンガをはみだした男 赤塚不二夫』までと幅広い。しかしプログラムの多くは作品名が書かれておらず、複数の短編作品を上映する枠となっている。広島では各賞を競うコンペティションが短編のみであることに倣い、各プログラムもメインの上映作品が短編になってくるのかもしれない。

 また30周年記念誌の発刊も今回のトピック。記念誌では第1回から第15回(2014年)までの概要を振り返っており、フェスティバルディレクターの木下小夜子は6月6日の記者会見(記事参照)でも、第1回の開催に至るまでに(1984年)12年もの歳月を費やしたことに触れえているが、そのうち広島での開催を希望して市議会から承認を得るまでにも6年もかかったと、誌面で回顧している。

 記念誌では、手塚治虫が第1回の開催に際して寄せたコメントも再録。広島でも手塚の存在感は大きく、第1回では副会長を務め『おんぼろフィルム』がグランプリ、第2回ではコンペティションのノミネート作品から各賞を決定する国際審査委員を務めた。

 手塚のコメントの大筋をかいつまんでみると「日本はアニメーションブームで制作数が世界一ではないか」「娯楽的な要素も決して悪くはないがそのほとんどが物語を中心とした商品」「動きやリズムを追求する個人作品がたくさん生み出される」「コンピューターアニメーションやレーザー、ホログラフィーなどの開発」などとある。

 現在の状況と照らし合わせても違和感のない部分が多い反面、やはり手塚の言い分は「アニメーションは本来、テレビや漫画や劇映画とは一線を画し、物の動きやリズムを追求するアートであることが大切」という箇所に集約されているように思われる。この件に限っては、いわゆる“Anime”と“Animation”の差異にも関わる話で、なかなか理解が進んでいないと言えるだろう。

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