第16回広島国際アニメーションフェスティバルにもオバマ大統領の影響が? 2000作品超の応募に「自己審査が必要」「方策を考えている」

■外国の作品と日本の作品の多寡 マンガのアニメーション化と作家の映像表現

hiro16tokyo3.jpg林静一

 加えて「外国の作品が多くて、我が国の作品が少ないというのも、(作品の質を)見てもらえばわかると思う。非常に質が高いというか、内容が深いというか」と林。さらに「日本のアニメーションの水準っていうのは、大きくマスで流されてしまうテレビの作品。それはもともと原作があって、大手出版社から出されているマンガのアニメーション化」と、続けた。

 その一方で林は「外国はそういう影響を自国で受けない、日本ほどメディアによって重きが置かれないということではなく、映像表現の1つとして作家として波を作っていかねばならない」といった背景を挙げた。いわゆる“Anime”と“Animation”の差異は、マンガが元なのか映像が元なのかに起因していることが改めて見えてくる。

 広島の厳しさや公正さは上記のほかにも窺える。林は外国の作家に言われた「自分たちの国で映画祭を開くんだったら、自分たちの作家を入れる枠をキチンと戦略として考えろ」との逸話を紹介。「日本人の質っていうのか、何か良いもの、優れたものをキチンと認めるというフェアな感覚ってのは、世界中を見渡してもほかでは見当たらない。裏で駆け引きがあるし」(林)。

hiro16tokyo4.jpg木下小夜子

 最後に眞賀里は「とりあえず出せばいいって作品が意外とあった。自己審査が必要かな」と釘を差した。また木下は「これ以上どんどん作品が増えてくると大変なので、色々と方策を考えている」と会見を終えた。第14回(2012年)より応募総数が2000作品を超えたのもあるが、今回はオバマ大統領の来広で発表が1日前倒しになっただけでも難儀したそうだ。

 広島は世界4大アニメーションフェスティバルの1つにも数えられている。そのうち6月11日にザグレブ、18日にアヌシーが今年の会期を終えた(共に現地時間)。日本人の作品として、ザグレブの短編部門で『水準原点』(折笠良)が準グランプリ、学生部門で『What They Believe』(Shoko Hara:ドイツ在住)がグランプリとなった。これらは広島ではノミネートされていないものの、他のプログラムで上映されると嬉しい。
(取材・文/真狩祐志)

■広島国際アニメーションフェスティバル
http://hiroanim.org/

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