仙波ユウスケ『リア充になれない俺は革命家の同志になりました』プロレタリアの真紅の血に染まる青春! 

 そんな感じでビビる白根だけど「階級闘争史観」と聞いて「マルクスとエンゲルスが『共産党宣言』の冒頭で述べた一文である」と思うあたり、ずいぶん詳しいよな?

 とにかく、黒羽は自身を革命戦士と自己規定している。そして彼女は白根にスクールカーストという階級社会の不条理と自らの目標を語る。

「私はその階級をプロレタリア革命で粉砕したい」

 なんと! この物語世界ではスクールカーストの下位はプロレタリアートなのである。ちょっと待て、どうもマルクス主義に即して革命を目指すようだが、この図書部が前衛党って位置づけでいいのか?

 まあ、そんなマニアなツッコミをする読者もいないだろう。

 こんな中二病をこじらせたとしか思えない過激な美少女に引きづられつつ、革命の準備は進行していく。公園で「自己批判」とか「総括」とか叫んでいたら、お巡りさんに声をかけられたりしながら。

 まだ第1巻ということもあり、物語は長大なプロローグといったところ。革命美少女・黒羽の想いに対して白根が、まだついていけていないシーンがけっこう多い。

 とにかく、合間に登場する専門的な革命用語にゾクゾクさせてくれる作品なのだ。

 しかし、やがて白根も目覚める時がくるだろう。果たして、彼らがどうやってプロレタリアの真紅の旗を、血に染めていくのか? 早くも続きが気になる一冊である。
(文=是枝了以)

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