惑星を舞台したサバイバルゲーム『Crashlands』が年明けに登場! がん闘病の開発秘話も

■ゲーム制作に没頭しているうちに末期がんが治る

 リリースが楽しみなこの『Crashlands』を制作したのは『Towelfight 2: The Monocle of Destiny』などのゲームアプリを手がけた米・ミズーリ州セントルイスに拠点を置くインディーズデベロッパー、Butterscotch Shenanigansだ。

 3人兄弟で運営されているというユニークな同社は2012年の創立以降、コンスタントにゲームアプリをリリースしてきたのだが、本作『Crashlands』の開発には2年を要したということだ。それというのも3人兄弟のクリエイターの1人、サム・コスター氏のがん闘病の期間があったからなのだ。

 2年前の2013年、23歳のサム・コスターは当初、兄のセス・コスターと2人で立ち上げたばかりのButterscotch Shenanigansで精力的にゲームアプリの開発に没頭していたのだが、ある時期からこれまで味わったことのない疲労感と精神的な苛立ちを感じるようになり、加えて睡眠時間が長くなり仕事に支障をきたすようになってきたことから病院で診察を受けた。

 すると驚くべきことに末期のリンパ腫がんでありと診断されることになる。診断によれば既に亡くなっていたとしてもおかしくない状態であり、このまま放置すれば余命はあと数週間というショッキングなものであったのだ。

 ひとまず10日間の集中的な化学療法を受けて危機的状況を乗り越えたサムであったが、治療後に兄と今後のゲーム制作の仕事についてシリアスに話し合うことになる。その時点で2人は、『Extreme Slothcycling』というエンドレスランゲームのアプリを制作中であったのだ。

 しかし、ひょっとするとこれが自身の最後のゲーム制作になるかもしれないと考えたサムは、自分が本当に作りたいと思えるゲームを作るべきだと考えるようになった。しかしそれでもすぐには自分が真に作りたいと思えるゲームを見出すことができなかったが、この機会にいちゲーマーとしてこれまでプレイしてきたゲームを検討した結果、このアドベンチャーサバイバルゲーム『Crashlands』がサムによって企画されたのだ。

「がんと診断されたからこそ、この『Crashlands』が生まれることになったのです」と、サムは「Financial Post」の記事の中で述べている。そして奇しくも、この『Crashlands』に熱中することが何よりも一番の“がん治療”になったというのだ。最後のゲーム制作になるかもしれないという思いで作業を続けることは日々を充実したものにし、がんに蝕まれた身体を“浄化”することになったとサムは語る。

 そして3人兄弟のもう1人、アダムが大学の博士過程を終えた後に同社に加わったことでさらに『Crashlands』の制作に拍車がかかり、今回、遂にリリースを公式アナウンスすることができるまでに到ったのである。加えてこの発売日の発表とともに、サムのがん治療が完全に終わったことも報告された。まさにゲームががんを治したのである。この驚くべき“開発秘話”でますますこの『Crashlands』が注目されそうだ。
(文/仲田しんじ)

【参考】
・『Crashlands』公式サイト
https://www.crashlands.net/

・「Financial Post」
http://business.financialpost.com/fp-tech-desk/game-development-as-cancer-therapy-the-making-of-crashlands

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