『ニーチェ先生 コンビニに、さとり世代の新人が舞い降りた』お客様は死んだ!? クレーマー客を一刀両断する様が頼もしすぎる

 2016年1月の実写ドラマ放送開始に向けて、着々とキャストも発表されている『ニーチェ先生 コンビニに、さとり世代の新人が舞い降りた』(原作:松駒 漫画:ハシモト/メディアファクトリー)は、元々は原作の松駒氏がTwitterに投稿していた、自身のコンビニバイトのネタから始まったものである。それをTogetterにまとめられたところ思わぬ大反響を呼んで、『月刊コミックジーン』でのマンガの連載が開始したという、異色の作品だ。

 コンビニの深夜帯バイトで長年苦労を続けてきた松駒氏だったが、そこへ仁井智慧が新人として入ってくる。人間アレルギーだという仁井くんが何故コンビニ夜勤を選んだのかと問うと返ってきた、「僕の1時間を3(の金額)桁で売り渡すわけにはいかなかったので」という言葉に、ツッコミさえためらわれる松駒氏。クレーマーまがいのお客様たちを言葉巧みに、時に身体を張って撤退させる仁井くんの大物ぶりを見れば、接客業をしたことのある方なら笑いながらスッキリできるだろう。「お客様は神様だろうが」と因縁をつけたお客様に向かって「神は死んだ」と言い放ったところから、松駒氏の中で「ニーチェ先生」という呼び名がついたのは言うまでもない。

 仁井くんは「ゆとり世代」ならぬ「さとり世代」ということで、様々な名言を連発する。しかしこの仁井くん、実は仏教学部に通いながら、夜な夜な袈裟をまとい、ライヴをするバンドマンでもあった! 木魚を叩きながら般若心経を絶叫するこのバンド、案外人気があるらしいです。そして仁井くんだけでなく、松駒氏の働くコンビニには個性の強いメンバーが勢揃い。売れそうもない商品を大量に発注するお茶目なオーナーや、一攫千金を狙って宝くじなどにのめり込む金の亡者・渡利先輩、実家の本性が非常にブラックで怪しいのに超爽やか子犬系な通称シバケン、松駒氏の幼馴染で仁井くんのストーカーの楓など、どのページを開いてもプッと笑える話題が詰まっている。

 すでに本作のコミック売上累計は100万部を突破していて、CDドラマ化もされている。そしていよいよ実写ドラマ化である。仁井くんが動く、しゃべる、戦う!? 一時は正社員の仕事を見つけてコンビニを去る松駒氏だったが、あまりのブラック企業ぶりに退職して、再びコンビニに戻って来たのには安堵した。同じ忙しいなら、楽しい方が良いですし? 仁井くんの毒舌や、タチの悪いお客様の撃退法など、松駒氏をうならせるコンビニバイトの日々を、ぜひマンガでも実感して欲しい。松駒氏の苦労と笑いはまだまだ続きそうだ。
(文/桜木尚矢)

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