【シリーズ「ももクロと、おやじノフたちの現在地」case.04】

「『ももクロの楽曲』のパフォーマンスに翳りが見えるのが残念! 現在、半分他界中」くまいさん(35)の場合

――ということは、年に推しごと代はいくらくらいかかってますか?

くまい 遠征費含めてですよね。あっ、去年のGFも行ったんだ。てことは、だいたい年間10現場くらいは行くから、30万くらいじゃないですかね。(記者の推測では少なくとも50万以上)

――ももクロにハマる前に趣味はあった?

くまい 実はボク、20代の頃ずっと国家資格の勉強してたんで、興味なかったんですよ。心の余裕もなかったし。大学の頃もライブ行こうとは思わなかったですね。

――それなら、ももクロにハマって生活変わったのでは?

くまい それは確実にあります。働き始めた頃、仕事が辛くて目標が見いだせなくて……。生き甲斐とかやり甲斐っていうものを求めてて、そこにうまくハマったんでしょうね。

――逆にメンバーやスタッフに対して、アンチな面はある?

くまい 運営に対して少し。社会人ていう立場から見ると、やり方がずさんというか、詰めが甘いとかはあるんじゃないですか。例えば、この間の情報漏洩とか……、あそうだ、今年の藤井で、インフルエンザでメンバーずいぶん欠けたじゃないですか。それに対しても払い戻しがなかったし。

――これから先、どれくらいももクロにハマりそうかって聞こうと思ったんだけど、実はそうでもないんだよね。今はエビ中を推し増し中らしいけど、それはなぜ?

くまい まあ、それは最初に行った、楽曲……本人たちのキャラの中の楽曲の良さっていう部分で、(ももクロに)翳りが見えてるっていうか……、あまりいい曲が最近はないかなっていうところでしょうね。

●ももクロはいいけど、エビはロリコン!?

――ということは、エビ中には惹かれる楽曲が多いと?

くまい 多いですね。でも、名前が「中学」じゃないですか、そこに偏見持たれがちなんですよ。でも、入ってみると意外にまともかなって。ある意味、敷居が高いっていうか……、「エビ中が好き」って言いづらいじゃないですか。

――それだけに、中学生アイドルのファンになるって、ももクロ以上に抵抗があったのでは?

くまい ありましたね。去年ブラックタイガーに入ったんですけど、当時付き合ってた彼女に、「エビ中に興味ある」って言ったら、「ロリコンじゃないの」って言われましたからね(笑)。一緒にももクロのライブに行ってた彼女にですよ(笑)。そういうコからも、理解されてないってことですからね(笑)。実際は中学生は2人しかいないんだけど。

――その彼女とは?

くまい あ、別れましたよ(苦笑)。それが原因ってわけじゃないですけど……。話し戻りますけど、2012年の夏西武に行った頃、前から長く付き合ってる別の彼女がいたんですけど、もうその頃は、会話っていうと、ももクロの話しかしなかったですからね(笑)。いつもあーりんの話ばっかりしてて、「あのコはね……」なんて。彼女の方も、最初は付き合ってくれてたんだけど、そのうち、「それ以外話すことないの?」って(笑)。その彼女はももクロには全然興味ないコだったんでね。まあ、(ももクロの話しかしてないという)自覚はあったんですけど……別れちゃいました。

――で、その次の彼女がロリコン呼ばわりした彼女?

くまい そうです。で、今は両方好きな人と付き合ってます(笑)。初めて会ったのもどんたくの感想戦です。彼女はまだブラックタイガーには入ってないですけど。

――じゃ、今度は推しごと関係で関係が気まずくなるってことはなさそう?

くまい えーとー、ハマり具合に温度差があるみたいで……。ボクは最近エビなんですけど、アチラはももクロの方に重きがあるんで。

――ということは、自分自身のモノノフの終わりは、わりと近いってこと?

くまい 次のオリンピック、また国立でやるっていう時くらいかな。そのときはまた見てみたいですね。でも、根っこから変わるってのはないんじゃないかな。もう、ものさしがももクロになってるんで、ももクロ無しでは考えられないですね。

――じゃあ、もしももクロが登場しなかったとしたら、今ごろ何かに熱中できていたと思いますか?

くまい たぶん、ないですね。趣味も、想像つかないです。フツーに酒呑んでるんじゃないかな。アイドルって、友だちと一緒に語れるひとつの話題って感じでとらえてるんで。だから、本人と直接接したいとか、逆に一線は超えたくないんですよ。単にアイドル追っかけてるだけみたいな、自己完結のやり方もしたくないですね。

――それでは、今の自分にとってももクロとは?

くまい うーん、なんでしょうねー……(考え込む様子)。

――友だちとの媒介になるものっていう感じ?

くまい うーん、そ・お・で・しょうね……。意外と冷めた感じですかね(笑)。

 * * *

 ノフ会のリーダーらしからぬ、意外なほどあっさりした回答に「すでに心は完全にエビに行ってしまったか」と、逆に若干引きつつインタビューを終えた。しかし、翌日、Lineにメッセージが入った。

「最後の質問、『ボクにとってのももクロとは』ですけど、『生活の一部』だと思います。大箱ライブが四季ごとにあり、それに参戦することで時の移り変わりを感じられ……」

 ももクロやモノノフを通して、季節の移ろいや世の中の流れを感じる取るなんて、まだまだ深いところにももクロがどっしりと居座っている様子を感じさせてくれた。しかも、彼女もモノノフでありファミリーでもある。これほどリア充なノフライフは、独身ノフの憧れでもあろう。戻ってくる際には気軽に「おかえ~りん」と迎えてあげたい。

【case.05につづく】

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