【シリーズ「ももクロと、おやじノフたちの現在地」case.01】

「『ももクロはピークを過ぎた』と言われても、そこから何を見せてくれるかが楽しみ」ひろっぺさん(40)の場合

momokuro001_.jpg2010年11月のサンシャイン噴水広場前

 金もある、仕事もある、時間の余裕もある……そんなアラウンド40から50な男性たちを虜にし、大量の“おやじノフ”を生み出した、ももクロこと「ももいろクローバーZ」。2012年にはデビュー以来の悲願だった『NHK紅白歌合戦』に出場し、14年には国立競技場ライブ、今夏はエコパスタジアム2days、またクリスマスには軽井沢スノーパーク3daysライブを予定するなど、今まさに栄華を極めたといっていい。

 だが、どんな季節にも終わりはくるもの。やがて訪れる「ももクロの終わり」を、おやじノフたちはどう考えているのか。そして、彼ら自身の“推しごと”の行方は?

 シリーズ「ももクロと、おやじノフたちの現在地」。総勢10人のおやじノフたちに、モノノフとしての始まりと終わりを語ってもらった。「ももいろクローバーZ」とモノノフの間には、何が存在していたのか。そしてそれは、今後どうなっていくのか。アイドルが与えた「夢」の実像が浮かび上がる──。(取材・文=関口ヒサヨシ)

case.01●ニックネーム「ひろっぺ」の場合

年齢/40歳
家族構成/独身
職業/会社員

 オフ会にも積極的に参加し、おだやかな表情や口調ながらもももクロ愛を熱く語るおやじノフ。国立2日目の夏菜子のスピーチのあと、しばらくは立ち上がれないほどの感銘を受けた古参の“無限の愛”とは?

 * * *

――先日のAEの際はおつかれさまでした。感想戦もありがとうございました。

ひろっぺ こちらこそ、ありがとうございました(笑)。

――それじゃまず、モノノフになったきっかけからお聞きしようかな。

ひろっぺ はい。「ももクロ」っていうアイドルがいることは、ファンになる以前から知ってました。というのは、ももクロにハマる前、AKBのライブに行ったりしていて、指原とまゆゆが「ももクロちゃんはイイ!」って言ってたのを聞いていたので。2011年の夏前、極楽門のちょっと前頃です。

――それじゃ、あかりんが辞めた直後くらいじゃないですか。古参じゃないですか!

ひろっぺ ももクロを知ったときは、まだあかりんがいましたけど、興味持ち出した頃にはもう“Z”になってました。YouTubeで「怪盗」とか「走れ」を見た時は、楽しそうだなとか、「赤のコの笑顔は可愛いな」ぐらいの感覚でしたけどね。

 AKBにもハマってたっていうわけではないんですけど、基本的にジャンル問わずいろんなライブに行くのが好きだったんで、都合が合えばももクロも見に行きたいと思う程度でした。それで、2012年の2月に故郷の福島のハワイアンズでライブがあるのを知ってひとりで行ったんです。そこで初めて見た「猛烈」の曲と振り付けに衝撃を受けたのが直接のきっかけですね。

●ファンを「オマエら」呼ばわりするアオリにズキュン!

――ああ、震災後、ハワイアンズの営業再開初日の記念ライブですね。衝撃を受けたところとは?

ひろっぺ 今まで見たこともない振り付けや歌、それが衝撃でしたね。特に「モーレーツ!」のガニ股、それに、サビの1人を軸にして廻る振り付けもカッコいいなーと思った。アイドルなのに激しい曲とダンス、そのギャップにやられました。「労働」とかも、不思議な曲と変なダンスの組み合わせがいいですよね。逆に「怪盗」や「走れ」はアイドル的ないい曲ですけど、刺さりはしなかったです。

 それと、実際に見ると、メンバーが思ってた以上に小さくてカワイイんです。こんなに小さい子があんなに激しいダンスしながら、よくこれだけ唄えるなって。生歌ですからね。それに、しおりんのよそよそしくないアオリもいいですね。アイドルなのに、「オマエら!」って呼ぶのなんか、それまでになかったですよね(笑)。「このコたちおもしろいぞ」って、ハワイアンズで一気にハマって、円盤買ったりライブや握手会のチケット漁り始めたって感じです。

――まず、曲やダンスにハマったということ?

ひろっぺ 純粋で天真爛漫なメンバーと、ライブの凄さですね。MCではふざけたことばっかり言ってるのに、いざ曲に入るとカッコいいっていうギャップですか。あと、メンバーの全力パフォーマンスに対して、汗だくでノド枯らして応援するファンとの一体感もいいですね。

――ももクロと他のアイドルの違いってなんだと思います?

ひろっぺ アイドルにありがちな恋愛ソングがほとんどないところと、純粋で、良い意味で変わらないところですかね。

 初めて見た頃のももクロはまだ高校生と中学生で、今は皆ちょっと大人になったはずなんだけど、相変わらず真っ直ぐで純粋でバカで(笑)。ライブハウスから短期間で日産スタジアムとか国立でライブするぐらい大きくなったのに、根底の部分は全然変わってないっていうのがいいですね。

 ちょっと変わった曲なのに、一生懸命歌って踊って、心から泣いたり笑ったり、その姿に心打たれるというか。年齢的には格好つけたり斜に構えたり、男の噂が出てもいい年頃なんですけどね(笑)。

──実際に男の噂が出たらどんな気分?

ひろっぺ たぶん変わらないですよ、恋愛対象ではないですから。噂が出ても笑っちゃうといいますか(笑)、頑張れっていうか、ずっとももクロとしてライブやってくれるなら変わらないです。彼女たちが結婚しても、たぶん同じです。

──家族や友人にももクロが好きだってカミングアウトした時、なんか言われた?

ひろっぺ 家族も友人も、ボクがライブ好きなことは知ってるので、特に何も言わなかったです。カミングアウトしたのはももクロが紅白に出て認知された後だったせいか、「えっ、アイドル?」程度です。(ももクロは)悪い印象がないんで、「楽しそうだね」って。

——自分自身では四十路でアイドルファンって悩まなかった?

ひろっぺ あ、それも全然悩まなかったですね。むしろ、この年齢で面白いものに出会えて嬉しかったという方が大きいです(笑)。

——どこまでもハマりそう、という気持ちは?

ひろっぺ きっとこの先も嫌いにはならないだろうし、ずっと好きなんだろうとは思うけど、ライブ全通とかグッズ全買とかいう感覚はないです。行きたいライブは遠くても行くし、欲しいグッズやブルーレイは買いますけど、無理しないで長くももクロと付き合っていきたいです。つぎ込んで燃え尽きた人もいたので、ちょうどいい距離感を保ちたいですね。

──年に推しごと代はいくらくらいかかってますか?

ひろっぺ 今はそんなにかかってないと思いますよ。年間数回のライブとイベント、CDとブルーレイで10万~15万ぐらいでしょうか。ハマリたての頃はグッズ買いまくってたんですけど、Tシャツもタオルも結局気に入ったのばかり使って、あとはほとんど一回使ってタンスの肥やしになっちゃうんですよね。今でも本当に欲しいと思ったグッズは買いますけど。

——ひろっぺさんは夏菜子推しですよね。その経緯って?

ひろっぺ 初めてのハワイアンズライブでは誰推しとかなかったんです。見終わってからも、特にこのコを推すとかそういう感覚はなかったです。その後、大航海ツアーの横浜ブリッツで開演前、グッズの販売列に並んでる時点では赤か緑のグッズを買おうと思ってたんです。たぶん、YouTubeとかでいろんな映像を見てるうちに、夏菜子の笑顔や杏果の歌にやられてたんでしょうね。

 ところがいざ列が進むと、緑のTシャツだけ売り切れちゃったんですよ。杏果の生誕ということで盛り上がってて。緑がないなら赤にしようということで、夏菜子の赤いグッズを全部買ったんです(笑)。それで、一度ホテルに戻ってTシャツを着てタオルを首から掛けて、ペンライト2本持った時は、なんかうれしかったですね(笑)。その日は最前列というか1.5列目ぐらいのところで見てたんですけど、百田夏菜子の笑顔とパフォーマンスに釘付けになりました(笑)。

「『ももクロはピークを過ぎた』と言われても、そこから何を見せてくれるかが楽しみ」ひろっぺさん(40)の場合のページです。おたぽるは、人気連載アイドルアイドル&声優の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!

- -

人気記事ランキング

XLサイズ……
XLサイズって想像できないだけど!!