海外の業者に無断転載されてしまったことも!?　なぜコスプレイヤーはTwitterにコスプレ写真をアップするのか？

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――コスプレにハマって1X年のコスプレイヤーが“コスプレの裏の世界”をこそっとお伝えしていきます。

多くのレイヤーがこの“鳥”にお世話になっています。

　みなさんご機嫌いかがでしょうか。コスプレイヤーの美波レイです。前回は、“コスプレイヤーの中には夜のお仕事をしている子も多い”というお話をしたのですが、「正直、最初から飛ばしすぎたのかも!?」と、反省しているような、していないような……（笑）。さて、最近はTwitter上に“コスプレイヤーのスッピンと完成図のビフォーアフター”といった比較画像がアップされ、もてはやされています。このように、コスプレ写真をTwitterにアップすることも普通になっていますが、今回は“Twitterにコスプレ写真をあげるメリット、デメリット”について、お伝えしたいと思います。

　そもそもコスプレイヤーは“自分のコスプレ写真を公開する場”として、「コスプレイヤーズアーカイブ」「コスプレCure」といったコスプレ専用SNSサイトを利用している人が大多数を占めています。そのサイトに登録すると、自分専用のページが持てて、ひとりひとりに発行される“ナンバー”で管理されます。レイヤーさんはそのナンバーが入った自分の名刺を作って配り、交流に利用したりします。

　しかし最近（というほど最近ではないのかもしれませんが……）、交流のときに「アーカイブも登録しているんですけど、Twitterのほうが写真の更新早かったりするので……」というようなセリフをよく耳にするようになりました。上記にあげたSNSサイトでは、写真を公開するまでに作品名やキャラクター名、衣装の種類といった情報を登録する必要があります。公開までにそういったいつくかのプロセスが必要になるのに対し、Twitterは写真をただ添付するだけで簡単に公開できますから、その分気軽だし、時間もかかりません。“そくほう”（速報）とか“おそくほう”（“遅れた”速報）と文頭にタグをつけて写真を公開するレイヤーさんも増えて、コスプレ写真の新たな公開の場として活用されていることも納得です。コスプレイヤーがTwitterを使うのには、“気軽に多くの人に自分のコスプレを見てもらえる”というメリットがあるといえるでしょう。

　とはいえ、怖い面もたくさんあるんですよね。コスプレ専用SNSサイトで写真を公開する場合、その写真をちゃんと閲覧するには見る側も登録が必要なので、ある程度公開範囲を制限することができます。しかし、Twitterではそうはいきません。Twitterも鍵をかけること（非公開設定）ができますが、「写真をいろんな人に見てもらいたい」と思うレイヤーさんはまず鍵をかけないと思いますし、私のコス友（コスプレイヤー友達）もほとんどはTwitterに鍵をかけていません。

　すると、コス友のひとりから先日、こんなLINEが届きました。「私のコスプレ写真がチャイナの衣装業者に悪用されてる！！」と。何事かと思い、慌てて連絡を取ると、友人のコスプレ写真が海外のコスプレ衣装通販サイトに無断で掲載されているとのことでした。しかも、そのとき着用していた衣装は友人の自作衣装なので、そのサイトで販売しているはずもなく……。つまり、海外業者のウソ宣伝に、自分の写真を勝手に使われてしまったんです。友人はどんな衣装も自分で作ってしまうし、その製作スピードもとても早いので、その後も自分のコスプレ写真がいろんな海外業者に無断掲載されるようになってしまったそうです。

　結局、自分のTwitterなどでフォロワーさんらにそのことを伝えて、そのサイトから衣装を購入しないように呼びかけていました。しかし、友人以外にもコスプレ写真を無断転載されたり、逆にサイトの写真を見てネットで衣装を購入したら、まったく違うものが届いたという人も居たりと――ちょっとした問題になってしまいました。

　こうした無断転載、対策らしい対策は特にないようで、私にも写真自体にクレジットを入れることくらいしか思いつきません。でも、その写真の世界観を崩すようなことはしたくないので、私自身も写真をあげる際は写真ではなく、SNSのコメント欄やツイート部分に撮影してくださったカメラマンさんの名前を入れる程度です。私たちレイヤーがいくら趣味だからといって公開した写真でも、悪意のある第三者にも晒されてしまうというのは、広く開かれたTwitterを使う上でのデメリットといえますね。

　最後に、冒頭でも触れた通り、“コスプレイヤーのスッピンと完成図のビフォーアフターに驚愕”みたいな比較画像をTwitterにアップするのが盛り上がっています。コスプレイヤーのくせに冷めてるなって言われるかもしれませんが、個人的には少し首をかしげてしまいます。「スッピンはこんなだけど、コスプレメイクしたらこんなに変われるの！」ってたしかに聞こえはいいようだけど、素顔を貶めているようにも感じてしまうんです。コスプレはあくまで“キャラになりきるもの”を信条としている身としては、「スッピンもかわいいよ」って言ってもらえる三十路コスプレイヤーになれるよう、努力したいと思う美波なのでした。
（文／美波レイ）