これぞサイコミュ!? “脳波で操作できるゲーム”が登場！ さらにドローンの操作まで…

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「Puzzlebox Orbit」公式サイトより。

　コントローラを握らなくてもゲームができる日が遂にやってきた――。脳波を使った夢のゲームシステムが実現する時はもうすぐそこだというのだ。

■脳波検査用のヘッドセットを装着してエイリアン機を撃墜

　2年前、当時デューク大学の学生だったデイヴィッド・シュワルツ氏は、夏の研究キャンプで脳科学の専門家ミゲル・ニコレリス博士と共に脳波を使ってプレイするピンポンゲームを開発した。プレイヤーは電極棒のついたヘッドギアを装着し、うなづいたり瞬きしたりしながら脳波を操り、画面のラケットをコントロールするのだ。

　その時このゲームをプレイした14歳の生徒は「考えるだけで動かせるなんて、これまでで一番クールなゲーム体験だった」と感激を語っていた。彼はこの時に思わず熱中してしまい、1時間半もこのゲームに没頭していたということだ。

　そして先日、シュワルツ氏は2年前のゲームをさらにバージョンアップさせ、2人のプレイヤーが協力してプレイできる最新の“脳波ゲーム”『PsyPod(サイポッド)』を開発した。

　この『PsyPod』は防御を目的とした「ディフェンスゲーム」で、2人のプレイヤーが中央にいる赤ちゃんロボットを守るゲームだ。脳波ヘッドセットを装着したプレイヤーは左右から迫り来る敵をビーム攻撃で次々撃墜していくのだ。

「脳波検査用のヘッドセットを装着して、脳の特定の周波数の力を使ってビーム砲を発射し、エイリアン機を撃墜します。現在、敵のエイリアン機の種類を増やすことなどを考えていて、さらに完成度を上げるつもりです。満足のいくものになったら、学校などに無償提供して脳科学研究の一環で子供たちに遊ばせたいですね」（デイヴィッド・シュワルツ氏）

　今のところ一般のゲーマーにはプレイできる機会はないが、いったいどんな操作性を味わえるのか、考えてみるほどに興味深いゲームだ。コンシューマ向け“脳波ゲーム”の登場も近いと思わせてくれる、ワクワクするニュースではないだろうか。

■ドローンを脳波で操縦する日も近い!?

　人間の脳波を新たなインターフェイスにする取り組みは、今やさまざまな分野で行なわれている。

　ポルトガル・リスボンのハイテク企業「Tekever」は先頃、ドローンを脳波で操縦する技術を発表した。操縦者は「EEG」と呼ばれるキャップ型の脳波検査装置を頭に被り、コンピュータのソフトウェアを介して脳波によって遠隔地を飛ぶドローンをコントロールするのだ。まさにSFドラマの世界だが、この技術は着実に進歩を遂げており将来は障がい者の人々が自分の手足のようにドローンを使って生活を快適にしたり、この技術を使ってパイロット不在の旅客機を地上から操縦するシステムの構築なども考えられるという。

　そして実際に脳波でコントロールできるという小型ドローンが販売されている。Puzzlebox社から販売されている「Puzzlebox Orbit」だ。

　製品に同梱されているヘッドセットを装着し、専用アプリをインストールしたスマホなどのモバイル端末のBluetoothを通して脳波でドローンを操作するというから驚きだ。

　ドローンを飛ばして遊ぶことに加えて、集中力、瞑想力を遊びながら高めることができるという。「Tekever」のシステムでも、一人前の“脳波パイロット”になるには数カ月間のトレーニングが必要だと認識されていることから、近未来の脳波パイロットを目指し一足先にこの「Puzzlebox Orbit」で訓練をはじめてみるのもいいかもしれない!?
（文／仲田しんじ）

【参考】
・Polygon
http://www.polygon.com/2015/7/1/8878941/brain-controlled-game-allows-players-to-co-op-against-aliens

・The Daily Dot
http://www.dailydot.com/technology/thought-controlled-drone-brainflight/

・Puzzlebox Orbit
https://puzzlebox.io/orbit/