“科学の力”でボツマンガが生き返った! 持ち込みで編集長に高評価を得る技が見つかる!?

1412_megaten.jpg『所さんの目がテン!』公式サイトより。

 科学の力で素人を人気アイドルにするなど、科学で社会現象を分析する番組『所さんの目がテン!』(日本テレビ)。11月30日放送分は、「アマチュア漫画家をプロデビューさせられるのか!?」というテーマ。

 今回、モニターに選ばれたのは、マンガ家・平野耕太の『ドリフターズ』(少年画報社)に憧れてマンガの専門学校に通う19歳の男性。まず番組は彼のマンガのレベルを知るべく、少年画報社に持ち込みを敢行。しかし、彼のバトルマンガ『炸裂!!ストリートファイト』に対するコミック誌の編集長の評価は「掲載されるレベルではないなぁ」というものだった。

 コミック誌の編集長曰く、持ち込みは月に100本程度あって、その中でデビューできるのはごくわずかだという。

 男性のバトルマンガについて、“主人公に戦う理由がなく感情移入できない”と評価した編集長。その問題を解決するため、マンガを研究している実践女子大学文学部国文学科の棚田輝嘉教授にたずねると「昔は勧善懲悪だったが、価値観が多様化している現代人の共感を呼ぶ“戦う理由”があればヒットする可能性がある」とのこと。

 その現代人の共感を呼ぶ“戦う理由”を探すべく、ヒットの傾向を調べているマーケティングの専門家・立教大学経済学部経営学科の佐々木宏教授に聞くと、ネット上にあふれるあらゆるデジタルデータ(ビッグデータ)を分析すれば見つけられるという。そこで番組は、上映前の映画がどれだけヒットするかを分析している会社・エコノミックインデックスに調査を依頼。この会社は、作品を構成するキーワードからどれだけ人々の共感を得られるのかを計算する「ヒット指数計算システム」を利用している。ちなみに興行収入24億円超えの大ヒット映画『ホットロード』の指数は66.7%で、番組によると2014年の映画の中で一番ヒット指数が高かったとか。

 ただ、世に出ていない男性の作品は、ビッグデータからヒット指数を算出できないため、文学の専門家・茨城大学大学院教育学研究科の橋浦洋志教授に依頼し、作品を構成するキーワードを抜き出すことに。だが、指数が50%を下回ると、ヒットの可能性はほぼないと言われている中、導き出された数値は44%。そこで、50%超えを目指し、エコノミックインデックス社にヒット指数を上げるキーワードを調査してもらったところ、男性のマンガについては「家族」「かばう」「耐える」「精神的」「からかわれる」「傷つく」「自尊心」といった7つの言葉がピックアップされた。これらの要素を盛り込んだ場合、男性のマンガのヒット指数は51.1%になるという。そして、男性はその言葉を元に、主人公が戦う理由などを付け加えるといった再構成を橋浦教授と行った。

 新たに完成したマンガを少年画報社のコミック誌の編集長に見せると、最初と打って変わって好評価。明らかにマンガのレベルが違っていることがわかった。

 最初はダメだった作品でも、編集長に「プロデビューする可能性はある」を認めさせた科学の力。もしかしたら今後、科学の力を利用した大ヒットマンガが生まれてくるかもしれない!?

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