ホワイトハウスの庭にドローンが墜落! 急速な普及であらわになったドローンの危険性

1502_droon.jpgドローンを販売するDJI社の公式HPより。

 先日、こともあろうに米ワシントンD.C.のホワイトハウスの敷地内にドローン(電動ラジコンヘリ)が墜落していたことがニュースになり、世間を騒がせた。当然のことながら厳重な警備体制が敷かれているはずのホワイトハウスがドローンの侵入を許してしまったことで、ドローン飛行に関する法整備が急がれているようだ。

■ホワイトハウスの警戒をかいくぐったドローン

 先月26日の早朝、ホワイトハウス近隣に部屋を借りている非番の国家機関職員が、友人から借りていたドローン、DJI製の「ファントム・クアッドコプター」を、酒に酔った状態で空に飛ばして遊んでいたところ、途中でコントロールを失い、ホワイトハウスの上空を飛行してそのまま敷地内に墜落したということだ。幸いこの時にオバマ大統領とミシェル夫人はインドに滞在中で、2人の娘も祖母の家に預けられていたために大統領ファミリーには直接影響はなかったが、事態を重く見たオバマ大統領は「ドローン飛行における規則を増やす必要がある」とコメントしている。

 この一件を受けて、「ファントム・クアッドコプター」シリーズを製造販売するDJIはワシントン・ポスト紙に対し、「我々はすでに“ジオフェンシング”導入の計画を進めていたが、今回の件で、すぐにでも導入せねばならなくなった」と語っている。この“ジオフェンシング”とは何か……?

 ジオフェンシング(Geofencing)は、地図上にバーチャルなフェンス(防護柵)を設置する技術のことで、ドローンに関していえば、飛行禁止区域などを事実上のフェンスで囲み、ドローンのGPS機能と連動させるプログラムだ。民生ドローンメーカー最大手のDJIは、今まさにジオフェンシングを働かせるプログラムとデータを作成中であるものの、販売中のドローンにすぐさま搭載することは現状不可能だという。

 DJI広報担当のマイケル・ペリー氏は「我々は世界中の注意を要する空域と共に、1万カ所もの空港(空港周辺は最も厳格な飛行禁止空域)を網羅する大きなデータベースを作成中である」と、ジオフェンシング対応ファームウェアを鋭意開発中であることをアピールしている。

■ドローンの監視体制の構築が急務

 ドローンの潜在的な危険性は、急速な普及もあってか、昨今目立つようになってきている。昨年7月には英ヒースロー空港付近で、旅客機がドローンとあわや接触というニアミスが起きている。以前、ジェットエンジンに鳥を巻き込んで機体のコントロールを失い不時着したケース(ハドソン川の奇跡)があったが、ドローンとの接触、巻き込みもまた重大な危険性をはらんでいるといえるだろう。

 ドローンと航空機とのニアミス事故は今のところアメリカとイギリスでしか起こっていないが、日本では名古屋・栄の繁華街で夜景を撮影していた小型ヘリ型のドローンが墜落したり、オーストラリアではトライアスロンのレースを空撮していたドローンが墜落して選手の頭部に当たり負傷させる事故が起きている。

 高まる人気と共ににわかに騒がれ始めたドローンの危険性だが、ドローンの画期的な有用性を考えると、規制が厳格化されたとしても今後も利用台数は増え続けるだろう。むしろドローン愛好家ほど、今後もドローンを楽しむためにも明確なルール作りを求めていると「Daily Dot」の記事などが言及している。

 今回ドローンの侵入を許してしまったホワイトハウスだが、この不名誉を逆手に取って警備業務にドローンを積極的に活用することも考えられる。そして、警備にドローンを活用することが世に広まれば、これまで以上にドローンの需要が増加することになる。規制案とセットでやってくるビジネスチャンスをめぐって今後ますます熱くなるドローン関連ビジネスだが、くれぐれも安全面をおろそかにすることのないよう、世の中の側からの“監視”と情報共有がますます求められているだろう。
(文/仲田しんじ)

【参考】
・「Daily Dot」
http://www.dailydot.com/technology/white-house-drone-crash-no-fly-zone/

・「Huffington Post」
http://www.huffingtonpost.jp/2014/12/08/jet-reports-near-miss-with-drone-_n_6291692.html

・「BBC」
http://www.bbc.com/news/technology-26921504
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