“オタク叩き”で炎上した『TVタックル』が“同人とTPP協定問題”を取り上げる

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 3月2日の『ビートたけしのTVタックル(以下、TVタックル)』(テレビ朝日系)は、ネットで炎上している話題に焦点を当てる「月刊炎上ニュース3月号」を放送。その中で、交渉中のTPP協定(環太平洋経済連携協定)で揺れるコミックマーケットというテーマが取り上げられた。

 同番組では、昨年9月の「漫画・アニメに規制は必要か? 徹底討論スペシャル」で一部の出演者によるオタクを揶揄するような言動が物議を醸したのが記憶に新しい。そのため今回の放送前には、ネット上で「また炎上するのでは」という声も挙がっていた。

 番組ではTPP協定がコミケに及ぼす影響を説明。現在の著作権侵害は“親告罪”という「被害者が告訴しないと起訴できない犯罪」だが、TPP協定によって作者が黙認していた二次創作物に関しても、警察などの捜査機関の判断で立件できるようになってしまう“非親告罪”の対象になるのではと、されている。それを踏まえて、番組に出演したマンガ家の赤松健氏は「コミケは商業作家の養成所みたいな場所で、ここが潰されると商業作家のパワーが落ちる」とコメント。自身の作品が二次創作されることについては黙認していると語っていた。番組ではほかにも、TPP協定によって「歌ってみた」、「踊ってみた」動画やコスプレ、さらにはパン屋が『アンパンマン』などキャラモチーフのパンを作ることにまで影響を及ぼしかねないことも指摘していた。

 前回のアニメ規制特集では、オタクに対し偏見を持っていると思わせる言動をした出演者がネット上で殺人予告をされるといった波紋を呼んだ同番組。だが、今回の放送後ネットでは「まともな内容だった」「オタク叩きがなかった」「ためになった」と、番組を評価する声が多数見られた。赤松氏もTwitterで「割と安全にTPP(による著作権侵害の非親告罪化)の問題点だけ紹介できた気がするのですが」とコメントを残している。ただ、前衆議院議員の東国原英夫氏が同人を「パクリ」と言い、番組で同人や二次創作について十分な説明がされなかったことについて反応を示す声も挙がっていた。

 一方、ネット上では2月21日に行なわれた『東方Project』の同人イベント「東方合同祭事」の取材を断られた同番組が、会場外でイベント参加者に取材をしていたという疑惑が持ち上がった。放送では確認できなかったが、この同人イベントのTwitterによると、同イベントでは『TVタックル』の取材を事前に固辞。しかし、会場の外で同番組取材班にTPP協定と同人について質問されたと、数名の参加者がTwitterで訴えている。これについてイベント側は抗議を検討しているという。

 3月1日にはコミックマーケット準備会が「TPP協定交渉について」という声明を発表し、TPP協定について「大変憂慮しております」とコメントを残すなど、TPP協定は近年オタク界隈で話題を呼んでいる。TPP協定交渉開始から取り沙汰されてきた同問題だが、ますます注目を集めることとなりそうだ。

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