巧妙にエロや暴力が隠されているのは“宮崎アニメ”!? 果たしてアニメやマンガは犯罪に影響を与えるのか

 9月1日放送の『ビートたけしのTVタックル』(テレビ朝日)では、「漫画・アニメに規制は必要か? 徹底討論スペシャル」と題し、規制賛成派と反対派が激論を交わしたが、その内容がネットで大荒れしている。

 まず番組では、7月に岡山県・倉敷で起きた小5女子誘拐監禁事件を引き合いに“アニメと犯罪の関連性”について言及。また、小学生の高町なのはが主人公である『魔法少女リリカルなのは』を紹介し、フェイト・テスタロッサの変身シーンや、なのはの入浴シーンを放送。続いて、小学生と教師の恋を描いた『こどものじかん』を紹介するなど、どちらも“小学生”というワードを強調している様子が伺えた。また、『魔法少女まどか☆マギカ』の暁美ほむらが自身の頭を拳銃で打ち抜くシーンや、『進撃の巨人』の巨人が人間を喰らうシーンといったものも放送。上記2作を“過激な暴力描写”が見られると作品としていた。

 それに続き、犯罪心理学者の出口保行が心理学のモデリング(真似をすること)を挙げ、 “暴力描写”や“性的表現”を含むアニメやマンガが、犯罪の動機の形成に大きな影響を与えると危惧していた。

 そのような中で、「漫画・アニメに規制は必要か?」という議題に賛成派だったのは自民党の土屋正忠、犯罪心理学者の出口保行、マナー講師の平林都、タレントの大竹まこと。一方で反対派だったのは漫画家の江川達也、エッセイストの犬山紙子、評論家の岡田斗司夫、タレントのミッツ・マングローブといった面々。

 ここで大きな論点となったのは、「アニメの表現は犯罪への動機となりうるか」という点。児童ポルノ規正法の規制作りに取り組む自民党の土屋正忠議員は、2011年3月に熊本で起きた3歳の女児殺害事件を例に出し、その犯人の部屋にアニメ作品があったことから、犯罪の動機となりうると主張。

 その意見に「(アニメ見ている)全員が犯罪を起こすわけじゃない」と真っ先に反論したのが江川。アニメの影響力を認めた上で、問題は描き方にあると主張。「子どもがエロを見たいのは当然。それを押さえてはいけない」と、エロをエロとして見せていることが問題ではなく、「よくないのは、巧妙にエロや暴力が隠された“宮崎アニメ”」という持論を展開し、スタジオを騒然とさせた。

 また番組では、フランスやシンガポールのアニメファンによる「日本アニメのエロや暴力シーンは規制されていて放送されていない」という証言を紹介。海外ではアニメ=子どものものという認識が強く、かなり徹底して規制を行っているという。その一例として「張り込み中の探偵のタバコがキャンディーになっている」「美少女のスカートの丈が長くなる」といった規制を挙げた。

 その点に関しても、岡田が「規制のある海外の方が犯罪率が高い」とし、日本のアニメの性表現や暴力表現が性犯罪の抑止力になっていると主張。規制賛成派である土屋の主張に対しても「規制ありきの理論」だと、反対派の立場を譲らなかった。

 一方で、規制賛成派の出口は、「(犯罪や常識に対しての)認知がずれている人たちに届くことが問題。誰にでも見せていいものか」と提起し、さらに「レイプ神話(女性や女児は被レイプ願望があるという考え)」を持っている人間にも言及。その動機の形成の一助になる可能性が高いと主張した。

 ほかにも、二次元キャラを“嫁”にしている20代男性をVTRで紹介し、また自衛隊員募集ポスターに美少女キャラが使用されている事例などを取り上げ、スタジオは規制賛成派と反対派が侃侃諤諤の議論を展開させた。

 もちろん、この番組内では結論は出なかったものの、スタジオに呼ばれた美少女アニメオタクで『艦隊これくしょん~艦これ~』ファンの大学4年生に、平林が「そんなことしてる暇あったら勉強しろ!」という場面が。それに学生は「しましたよ。センター試験の日本史で98点取りました」と返し、また「就職先は決まっています」と言うと、司会の阿川佐和子が「え、就職するの」と言うやり取りも見られた。それにはミッツも「なんで偏った見方しかできないの」と言っていたが、客観的に見ても、規制賛成派のアニメやマンガ、オタクに対する理解不足や偏見、規制ありきの理論展開である点はやや否めなかった。

 また、番組を受けてネット上でも「規制賛成派は根拠がない」「有害の基準が曖昧」「レイティングをしっかりするべき」といったさまざまな意見が飛び交い、さらに一部では番組関係者への殺害予告もされるなど、出演者だけでなく、視聴者も巻き込んでその波紋が広がる結果に。

 一連のアニメブームから、すっかり市民権を得たと思われていたアニメオタクだが、今回の放送でまだまだ障害が多いことを実感させられることとなった。ここ最近、犯罪が起きると犯人=アニメ好きと思わせる報道も続く中、今後そういった偏見が少しでも解消されることを祈るばかりだ。

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