「週刊少年ジャンプ」情報レビュー

アニマックスとの深まる“蜜月関係”が気になる「週刊少年ジャンプ」

――発行部数約266万部(一般社団法人 日本雑誌協会発表)を誇る最強の少年マンガ誌「週刊少年ジャンプ」(集英社)。そんな「ジャンプ」の最新情報をさまざまな角度からレビュー!

1502_jump10.jpg「週刊少年ジャンプ」2015年10号(集英社)。

「週刊少年ジャンプ」(以下、「ジャンプ」)2015年10号の表紙と巻頭カラーは『ONE PIECE』。本編は、ドレスローザ編の渦中。今話最終ページのアオリ文では“ギムレットには早すぎる”と、ハードボイルド小説で知られる小説家レイモンド・チャンドラーの名著『ロング・グッドバイ』から、代表的なセリフが引用されている。こうしたアオリ文については、『ジョジョの奇妙な冒険』や『新テニスの王子様』といった独自のセンスを放つものから、最近では、「週刊少年マガジン」連載作『神様の言うとおり弐』(共に講談社)のアオリ文で担当編集者が私信を行っているとして、ネットを中心に物議を醸すなど、注目を集めることもある。今回のアオリ文も気の利いたものといえそうだ。

 今週の掲載順は『ONE PIECE』に続いて、『僕のヒーローアカデミア』『食戟のソーマ』『トリコ』『斉木楠雄のΨ難』と並ぶ。また、『BLEACH』が前号に比べて中盤にまで上昇。本作は、連載13周年記念として、劇中組織「護廷十三隊」にひっかけたスペシャル企画「BLEACH 13th BLADEs.」の始動を告知している。詳しい情報は今後「ジャンプ」や兄弟誌「Vジャンプ」で発表予定とのことなので、楽しみに待とう。そして、今号最下位となった『Sporting Salt』は、全18話で幕を閉じた。次号からは4号にわたって新連載が開始となる。激しい連載レースにも注目したい。

 ほか、今号では読み切りとして、工藤篤大の『オニゴロキ』、今月4日に単行本が発売される「少年ジャンプ+」(以下、「ジャンプ+」)連載作『エルドライブ【elDLIVE】』(註:“e”は、eの上に横線)が掲載された。

 今号の注目ポイントは、「VOMIC」について。『火ノ丸相撲』にて、同作のVOMIC化が告知されている。「VOMIC」とは、マンガの絵に声や音をあてたコンテンツで、2007年に始まり、定期的に作品がリリースされた後、2014年4月より沈黙をしてきた。しかし、今年1月に『僕のヒーローアカデミア』がVOMIC化されると、従来のウェブ配信とは違い、『VOMIC TV!』としてアニメ専門チャンネル「アニマックス」で放送されるように。現在、アニマックスでは「少年ジャンプ+」と共にシナリオ公募企画「アニメシナリオ大賞」を実施中。ほかにも、昨年12月に、アニメ関連コンテンツとのコラボレーションを展開するコンセプトカフェ「アニマックスCAFE」がオープンした際、第一弾としてコラボしたのが「ジャンプ+」だったことは記憶に新しい。このように、蜜月関係を深める「ジャンプ」とアニマックス。今後の展開からも目が離せそうにない。

 最後に、今号の『斉木楠雄のΨ難』内で、集英社を指して「漫画家には馬車馬のように働かせ社員は会社の経費でキャバクラに行きまくってる」とするネタは、作者コメントによると「上から2回没を食ら」ったそう。これまでも『幕張』や『銀魂』ほか、「ジャンプ」では同編集部などを扱うきわどいネタは散見されたが、やはり扱いが難しいよう。制作の苦労が偲ばれるコメントだった。
(雑誌やマンガ作品に関して、言及のない限り、版元は集英社。文中、敬称略)

ロング・グッドバイ (ハヤカワ・ミステリ文庫 チ 1-11)

ロング・グッドバイ (ハヤカワ・ミステリ文庫 チ 1-11)

フィリップ・マーロウではなく、テリー・レノックスのセリフ。

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