動物の排尿排便だけを集めた写真集にネットの書き込みをコピペした被害妄想本まで！ 日本の深～い珍書の世界

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数少ない購入された本。

　100万冊って……。ちなみに、『ベスト珍書』には“すべての本をチェックする方法”も書かれている。「やってみたい!!」という人は参考にするとよいと思うが、さすがにそんな人はいないか。

「図書館や国会図書館にはずいぶん通いましたね。希少本の場合、係の人と本に破損がないか一緒にチェックしなければならない場合があるのですが……図書館員のお姉さんと2人で性病に侵された性器の写真集を眺めるというなんとも気まずい場面もありましたね。申し訳ないことをしました（笑）。とにかく新刊をチェックするのに時間がかかりすぎて、本が全然読めなくなってしまったし、SNSもできなくなってしまいました。ただ僕は本を所有したい欲はあまりないので、ほとんど持っていません。『ベスト珍書』を発表した後に、皆さんに説明するために数冊を買った程度ですね」

　本をチェックするために、本が読めなくなるとはなんという本末転倒……こんなにも苦労したのだから、もう珍書はこりごりなのだろうか？

「今回の『ベスト珍書』では2000年以降に発売された珍書を中心に紹介しました。今後はもっと過去の作品もどんどん調べていきたいですね。また今回は日本の珍書に絞って紹介しましたけど、今後は世界の珍書も紹介していきたいです」

　おお、珍書ウォッチャーの夢は広がるばかり……！　僕も、またベスト珍書に選ばれるような本を作っていきたいものだ。
　
　では最後に、『ベスト珍書』内で紹介されている1万倍の倍率を勝ち残った本の中から、3冊を軽く紹介します!!

『写真と童話で訪れる　高尿酸血症と奇岩・奇石』
槙野博史著／メディカルレビュー社（13年）

　高尿酸血症という病気と、奇岩奇石の写真集と、赤鬼青鬼の童話…というまったく関連性のない3つのテーマを一冊に押し込んだ本。案の上、まったく交じり合わず、ものすごい気持ち悪いテイストになっている。

『不審者対応in JAPAN—武術の考えをヒントに』
對木佳史著／壮神社（11年）

　インドネシアの拳法の達人が教える不審者対応術。図解されているのだが、ふる〜い4コママンガみたいなタッチのイラストで全然参考にならない。何より空白がとても多く、どこもかしこもスッカスカなのが妙に印象に残る本だ。

『こじき大百科—にっぽん全国ホームレス大調査』
村田らむ、黒柳わん著／データハウス（01年）

　わたくし村田らむが初めて出した単行本。ホームレスを徹底的に半年以上かけて取材して、数週間で絶版になった。いまだにやたらと高値で取引されているが、僕も2冊しか持っていないのであげられないのである。

　奥深き“珍書”の世界。まずはどんな珍書が日本に転がっているのか、珍書のプロが選んだ珍書から、チェックしてみてはいかがだろうか。
（文／村田らむ）

 
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