安田理央の「特殊古書店ダリオ堂」 第10回

『巨人の星』星明子の全ファッションカタログに喜国流「恐怖新聞」の誌面まで!細かすぎる『少年マンガ画報』が面白い

――ようこそ、「特殊古書店ダリオ堂」へ。当店では、ちょっと変わった本たちを皆様にご紹介していきましょう。

141013_rio_01.jpg『少年マンガ画報』(高取英・喜国雅彦/ファラオ企画/1993年)

 この『少年マンガ画報』というタイトルは、戦後すぐに人気のあった少年向けマンガ雑誌「少年画報」にちなんだものでしょうか。「漫画エロジェニカ」編集長を経て劇作家となった高取英が文を、そしてマンガ家の喜国雅彦が絵を担当し、『鉄腕アトム』から『ストップ!!ひばりくん!』に至るまでの名作マンガ56作品を紹介した一冊です。マンガ情報誌「COMIC BOX」に1988年から1991年まで連載されたものをベースにかなり描きおろしを加えているようです。

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 作品のセレクトは、割りとオーソドックス。『快球Xあわらる!!』『くたばれ!!涙くん』『はみだし野郎の伝説』といった渋い作品もありますが、基本的には誰もが知っている名作ばかりですね。そうした作品を独自の視点で大胆に解釈していく高取氏の評論も読み応えがあるのですが、やはり面白いのは喜国氏のイラスト。

 クセのある名作マンガを喜国氏が模写しているのですが、これがなかなか見事な再現具合。白土三平、江口寿史あたりは、コピーかと思うほどにタッチが似ています。一方で川崎のぼる、影丸譲也、永島慎二(あ、全部、梶原一騎原作だ)あたりだと、どう見ても喜国タッチだったりして、その辺の違いを見比べるのも興味深いですね。本人タッチの相性というのもあるんでしょう。

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