「最初は大変だったけど…」今はもう“千代丸節”に慣らされた!? 『CHAOS;CHILD』新曲を歌う、いとうかなこ×榊原ゆいに迫る!

1410_hpl2_1.jpgいとうかなこと榊原ゆいにインタビュー!

 9月21日に、科学アドベンチャーシリーズの楽曲を中心としたライブ「Hacking PHANTASM LIVE in TOKYO」を行い、12月に発売を控えているシリーズ最新作『CHAOS;CHILD』のオープングテーマとエンディングテーマとなる新曲を初披露した、いとうかなことPHANTASMのFES(cv:榊原ゆい)。今回、いとうかなこと“FESの代理”の榊原ゆいに、新曲についてインタビュー。仲の良さを改めて感じさせてくれた2人。ラジオのトーク番組を思わせるほど、息の合ったマシンガントークをどうぞ!

☆ライブのレポートはこちら

【編注:FESは、ゲーム『CHAOS;HEAD』に登場した、榊原ゆいが演じる架空のゴシック・ロックバンドPHANTASMのボーカル。ゲームの世界だけでなく、現実でもワンマンライブやCDのリリースなどのアーティスト活動を行っている。】

■FES様は新曲を伝えるだけでも一苦労?

――香港、台湾で公演してきた「Hacking PHANTASM LIVE」の東京公演が9月21日に行われましたが、まずは待望の日本公演の感想をお願いします。

1410_hpl2_2.jpgPHANTASMのFES(cv:榊原ゆい)。

いとうかなこ(以下、いとう) やっとできたね。

榊原ゆい(以下、榊原) 外タレ【編注:海外での活動がメインで、ライブやプロモーション活動のために来日するタレント】みたい(笑)。

いとう やっぱり、安心感が違いますね。作品を深いところまで知っていてくれる人たちが来てくれたので、楽しかったですよ。

榊原 海外でも、みなさん知ってくれていると思うのですが、やっぱりちょっと不安なんだよね(笑)。「大丈夫かな、この曲知っているかな」って。でも日本は、みんなが知っているのが分かるので、「だよねー」みたいな感じで臨めるんです。そういう意味で、日本公演は安心できました。日本でできてよかったよね。

いとう 日本でやらないと、落ち着かなかったよね。『CHAOS;CHILD』が出るのも決まったし。ノリと勢いで、「やるしかないっしょ!」って、やってよかったです。

――そして、“FES様”にとっては、久々のライブになりましたよね。

榊原 FES様の代わりに答えますね(笑)。「きっとこうだ」みたいな感じで。たしか、香港公演の時も、1年何ヵ月ぶりだったんです。「じゃぁ、日本でライブなんてどれくらい経つの?」ってなりますね。科学アドベンチャーシリーズに全部関わらせてもらっていたのですが、なかなかライブで現れる機会がなかったなって中で、やっと登場できたようです。ライブ中は、実はめっちゃ汗かいていたみたいだけど(笑)。

いとう 会場、熱かったからね。

榊原 ヅラ…ゲフンゲフン、衣装の裏地がすごいからね(笑)。

いとう 二次元のものを再現しようとしたら、衣装に使う布の量が多くなっちゃって。

榊原 布の量、そうだね。やっぱり、アニメの中から出てくるキャラクターって、再現率がすごいよね。この世界観よく頑張ってるよな~って思う。これが7年も続いているんだからね。

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――最初の頃と今とで、FESさんの変わってきたところはありますか?

榊原 もう、貫禄が違う! 今回は新曲がありましたが、ほかの曲の貫禄がすごいんです。世界観を作るのが、もう「快感!」みたいな(笑)。榊原ゆいは、ノリノリ系なので、アレはアレで快感ですが(笑)。

いとう MCも、「その目だれの目?」と「ありがとう」だけだったしね。

榊原 あと、新曲を歌ったけど、FESの口から「新曲」って言うのは、おかしいでしょ?

いとう 本当におかしいよね。

榊原 何か“新曲です”を伝える言葉がないかなって、ちゃんと考えたの。

いとう FESのキャラクターだと、“新曲”という言葉もいえないのか(笑)。

榊原 だから「新しく紡がれる運命を。『月蝕のヴァニタス』」って言ったんだよ。大変でしょ? たかだか、「月蝕のヴァニタス」を新曲ですって言うだけでも大変なんだよ(笑)。

いとう でも、それがPHANTASMの世界観なんだよね。

榊原 そうやって愛されていることはうれしいです。

――では、新曲の「月蝕のヴァニタス」について教えてください。

榊原 FESさんの曲は、全部難しいのですが、また難しいのが来ちゃったって感じです。スタッフさんも今回の曲はかなり歌うのが難しいと言っていたのですが、レコーディングは、本番録りを2回くらいで歌えちゃって。だから、たぶん、もうFESとして完成されているのだと思うんですよ。自分でもびっくりしました。難しい歌は、レコーディングをAメロ、Bメロ、サビとセクションごとに分けて、いつもは4回くらい歌うのがいつものやり方だったので。

いとう それはすごい、すばらしい!

榊原 あと、だんだん新曲も染み付いてきて、感慨深いところがあるんです。ゲームの世界観も、今回もいっぱい歌詞に入っていますし。そして、歌詞に出てくる言葉も難しい! 何を言っているのか分からないんですよ。プロデューサーの金谷さんも同じことを言ってたからね。「いやいや!?」って思っちゃったけど(笑)。そんな感じで、相変わらず難しい曲ですが、世界観がいっぱい詰まっていて、相変わらずの“PHANTASM感”がある曲です。

■“千代丸節”にはもう慣らされた!?

――いとうかなこさんの新曲「非実在青少年」はいかがですか? 今回も志倉千代丸氏が作詞・作曲をしていますね。【編注:科学アドベンチャーシリーズの主題歌は、同シリーズの企画・原案を担当する志倉千代丸氏が作詞・作曲を行っている。】

榊原 非行少年、少女(笑)。

いとう 非行少年、少女じゃない! 「非実在青少年」! ずっと“非行少年”“非行少女”って言うんです。

榊原 バイクを盗んで走り出しちゃう(笑)。

いとう そうなじゃない、意味とかまったく違うから! “千代丸節”ですから!【編注:志倉千代丸氏の楽曲は、曲の展開や歌詞が独特であり、そうした志倉千代丸氏の楽曲の特徴を“千代丸節”と呼んでいる。】

榊原 最近はそういうタイトルが多いよね。

いとう 「非実在青少年」って、ほかの歌と被らないよね(笑)。なかなかこういうタイトルの歌はないですが、『CHAOS;CHILD』は『CHAOS;HEAD』の血を受け継いだ続編で、『CHAOS;HEAD』で渋谷が崩壊した後の話だから、わりとそこに寄せた主題歌になりました。

榊原 戻ってきたね。

いとう 戻ってきたね。ちょっと不思議な感じのサウンドで、ミステリアスだったり、ちょっと怖いキーワードが入っていたり。だいたい、タイトルの「非実在青少年」って何(笑)。「存在しないの!?」って、そういう意味とか考えると、ちょっと怖くないですか?

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榊原 『CHAOS;CHILD』と『CHAOS;HEAD』は、ちょっとおどろおどろしいというか……。

いとう グロいし、シリーズのなかでも一番狂気じみた感じだから。ゲームがサイコサスペンスみたいと言われるので、そういうのを匂わせるような主題歌になっています。で、志倉千代丸氏が作ってくれたから、やっぱりほかの曲とも並べてみると“千代丸節”の曲というのが分かります。でも、PHANTASMもそうかもしれないけど、“千代丸節”が歌いやすくなってたんだよね?

榊原 そうそう。

いとう 私も“千代丸節”は、最初は歌うのがすごく大変だったもん。「Find the blue」【編注:『CHAOS;HEAD』の最初となるPCゲーム版のオープニングテーマ】とか、歌い辛かったもん! でも、最近の曲は歌いやすくなった。……歌いやすくなったんじゃなくて、慣らされたんだな。

榊原 完全にそうだと思うよ。この“千代丸節”に慣れてきたんだと思う。

いとう そう。慣れてきたから、割と早いよ、私も“千代丸節”の曲を録音するの。最初、文句ばかり言っていたからかもしれない。「歌いづらーい!」「Bメロながーい!」「歌詞の繰り返しがなーい!」って(笑)。だから、だんだん歌詞も韻を踏むようになってきているかな(笑)。Bメロも短くなってきたから、歩み寄りですね。

――「非実在青少年」のシングルには、エンディングテーマの「silent wind bell」も収録されていますよね?

いとう ネタばれですが、トゥルーエンドのエンディングテーマですね。私、その曲の歌詞も書いているんですよ。そのためにシナリオを全部読ませてもらったら、ゲームもおもしろいですよ〜! 話を先に知ってしまいましたが、あのシーンでこのエンディングテーマが流れたら泣くぞっていう曲になりましたので、自信を持っておすすめします!

――作詞をする上で、こだわったところはありましたか?

いとう やはり、『CHAOS;CHILD』の世界にグッと寄せたかったんですよ。だから、ゲームに出てくる具体的なキーワードを歌詞に入れたくて、最後までシナリオを読んだんです。そうしたら、歌詞はゲームのプロデューサーに一発OKをいただきました!特に、2番の歌詞には、ストーリーを知らないと分からないキーワードを入れたかったので、歌詞を書いている時は楽しかったです。

――FESさんは、「月蝕のヴァニタス」も収録した、ベストアルバム『PHANTASM THE BEST』がリリースされますね。

榊原 はい、クリスマスイブの12月24日にリリースします。イントロクイズをしたら、出だしだけでどの曲か分かる人っているのかな?って感じの曲がたくさん収録されています(笑)。SE始まりの曲が多いんですよ。なので、曲が流れた瞬間にピンポーンってボタンを押して答えられる人がいたらすごいと思います。

いとう いると思うよ。

榊原 私もたまに「お!どの曲だ?」って思う時があるんですが…、でもそれくらい完成された一つの世界観の中で歌い上げている曲が多いです。

いとう 前奏で世界観を作り上げないとね。

榊原 そう、特に最近は劇中でFES の曲が流れるので、前奏からグッと世界観に引きつけるために、そういうパターンの曲が多いです。でも、最初の頃のノリのいい曲もガッツリ入っていますよ。それから、9月21日に開催した「Hacking PHANTASM LIVE in TOKYO」のダイジェスト版映像も収録されるみたいです! 映像特典がついた豪華ベストアルバムなので、ぜひよろしくお願いいたします。

――では、最後に、ファンのみなさんにメッセージをお願いします。

いとう 科学アドベンチャーシリーズ第4弾の『CHAOS;CHILD』が出たら、またほかのシリーズ作品も盛り上がって欲しいので、その波に乗って、また「Hacking PHANTASM LIVE」のようなイベントができたらいいなと思います。

榊原 作品があっての私たちの歌だったりするから、またここで曲数もアーティストさんも増えたので、大きなイベントをやりたいよね。私たちのライブはもちろんですが、声優さんも呼んで、朗読してもらったりする、作品に特化したライブもしたいね。

いとう なんか、近々実現しそうですね。

榊原 だから、長く科学アドベンチャーシリーズを愛してもらえたらうれしいです!
(取材・文/桜井飛鳥)

■いとうかなこ 公式サイト
http://kanataro.com/
■榊原ゆい 公式サイト
http://www.sakakibarayui.com/
■『CHAOS;CHILD』公式サイト
http://chaoschild.jp/

■「非実在青少年」
アーティスト:いとうかなこ
発売日:2014年11月26日
品番/価格:
【カオス・コラボ盤(CD+DVD)】FVCG-1326 / 価格 1600円+税
※ささきむつみ描き下ろしジャケット仕様
【通常盤(CD)】FVCG-1327 / 価格 1200円+税
発売元:5pb.
販売元:株式会社KADOKAWA メディアファクトリー
【楽曲インデックス】
01. 非実在青少年(Xbox Oneソフト『CHAOS;CHILD』OPテーマ)
02. silent wind bell(Xbox Oneソフト『CHAOS;CHILD』EDテーマ)
03. 非実在青少年 -off vocal-
04. silent wind bell -off vocal-

■「PHANTASM THE BEST」
アーティスト:PHANTASM(FES cv.榊原ゆい)
発売日:2014年12月24日
品番:FVCG-1328
価格:3000円+税

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