最終巻も発売間近! 弥生時代が舞台の異色バトルマンガ『アコヤツタヱ』

1410_akoya.jpgアコヤツタヱ第1巻(講談社)

 マンガ配信アプリのトップの地位を盤石なものにしつつある「マンガボックス」。創刊から連載され、9月に最終回を迎えた佐藤将氏の『アコヤツタヱ』最終第3巻が10月9日に発売される。

 創刊号から連載されていたこの作品は、いろんな意味で衝撃的な作品だった。まず舞台が弥生時代。これまでも日本神話や古墳時代あたりをテーマとする作品はあったが、弥生時代というのはかなり異色のはず。かつ、物語の中で描かれるのは、稲作や鉄器の登場によって教科書にも書かれる「ムラからクニへ」の変化の中で起こる戦いと権謀術数。その中で、少女・アコヤの父が作り上げた6本の名剣をめぐって物語は進んでいく……。

 ということで、最初は伝奇ロマンテイストで始まったこの作品だが、途中からがすごい。弥生時代なのに天下一武道会的な奴らが次々と登場するバトルマンガにシフト。しかも、佐藤氏の独特の絵柄で描かれる人物は魅力的で、毎週読んでいるうちに「ああ、これはバトルマンガだったのか」と、疑問を挟む間もなく納得してしまう出来栄え。

 こうして40話余りをかけて、鉄剣を手にし勢力の拡大を謀る山上の村とアコヤが庇護された山裾の村との争いは決着。これから6本の剣がさらなる因果を生んでいくのかな……と、思っていたら、まさかの最終回を迎えてしまった。

 そもそも村同士の争いも「ヤマのカミ」の超自然的な力によって決着がついたのが衝撃的。さらに衝撃だったのが、42話で生き残った登場人物たちによって、そのすべての原因が「ヤマのカミ」だったかのようなことが匂わされることだ。そして、物語は最後の数ページで、本当に衝撃的なバッドエンドに……。

 完全なネタバレになってしまうので詳細は読んで確認してほしいけれど、この結末は本当に想像しえなかった。途方もない絶望感に襲われたが、単行本で読み直せば改めて背景に描かれているもっと深い何かを読み取れるのでは? いずれにしても、弥生時代を舞台にしたバトルという発想は斬新この上なかった! また、いつかどこかでこんなテイストの作品を読みたいものだ。
(文/ビーラー・ホラ)

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