声優誌レビュー「声優アニメディア」2014年7月号

豊崎愛生の“サッカーのにわかファン”感が素晴らしい!「声優アニメディア」

――昨今の声優人気に伴い、気がつけば声優専門誌も定期・不定期を合わせて10誌以上が刊行されている。そんな“声優誌 群雄割拠”の時代にあって、各誌はどのような記事・企画をとりあげているのだろうか? 主要な声優誌を中心に、目玉記事や気になる企画などを紹介しつつ、各誌の特徴を分析していく――

■「声優アニメディア」2014年7月号
出版社…学研パブリッシング
発売日…6月10日(毎月10日発売)
価格……1204円+税
創刊……2004年

 今月の「声アニ」は男祭り!……と、別に本誌に銘打たれているわけではないが、表紙&巻頭特集10Pの小野賢章を皮切りに、宮野真守寺島拓篤藤原啓治柿原徹也GRANRODEOのKISHOW(谷山紀章)といった人気男性声優陣が36P目まで立て続けに登場するという、女性ファンには嬉しい構成だ。

 特別付録の綴じ込みポスターは小野賢章、寺島拓篤ゆいかおりWake Up Girls!(WUG!)の4組だが、このなかで気になったのはWUG!である。小野ら3組のポスターは美麗な撮り下ろし写真であるのに対し、WUG!の写真だけぼやけているのだ。WUG!のポスターに使用されたのは、ライブ中の決めポーズを捉えたカットと思われる。そのため、多少のブレは仕方ないかもしれないが、それにしても解像度が足りていない。おそらく遠くから撮影した写真をトリミングして強引に引き伸ばしたのだろうが、そこまでしてポスターにする必要があったのかと少しばかり疑問を抱いた。

 さて、不満はこれくらいにしておいて、今月の“MVP(Most Valuable Page)”は豊崎愛生の連載「あきめくり」である。日めくりカレンダーならぬ“月めくり”をコンセプトに、毎回その月に沿ったテーマに合わせ、豊崎がいろいろな格好をするという1P連載企画だ。今月のテーマは現在開催中の「FIFAワールドカップ」だが、日本代表ユニフォームに袖を通した彼女がとにかくイイ。

 ユニフォームは上のみの着用で、下は膝上の白いミニスカート。頬に日の丸のペインティングが施され、これぞまさしくワールドカップ期間中に大量発生する“にわか女性ファン”といった雰囲気が素晴らしい。妄想逞しい声優ファンならば、彼女と一緒にスポーツバーで盛り上がるシーンも容易に思い描けるだろう。高身長の彼女(公称169cm)ならば、渋谷のスクランブル交差点で一緒にバカ騒ぎしても、はぐれる心配はない。むしろフィールドでポストに立たせても、素敵な壁役を務めてくれそうな気さえする。おまけにボールを蹴っている彼女のカットでは、ミニスカートから覗く太モモが眩しく、普段の5割増しで可愛く見える。わずか1Pでこれほど楽しませてくれた彼女と「声アニ」に対し、心から拍手を送りたい。

 このほか、気になったのは広告ページ。ワタナベエンターテイメントカレッジ(WEC)が声優発掘オーディションを開催するとのことで、募集広告が掲載されているのだが、同オーディションに「声アニ」と姉妹誌「アニメディア」が協力している。合格者特典には「学研のアニメ声優WEBでのラジオ出演」や「学研パブリッシング製作のドラマCD出演」などがあり、バックアップ体制も万全だ。

 そう言えば、WECは今年2月に「声優グランプリ」ともコラボ企画の声優発掘オーディションを開催していた。現在、ワタナベエンターテイメントには目立った声優の在籍はないが、大手芸能事務所が声優業界に続々と参入している昨今、同事務所も本格的に動きはじめたということか。「声アニ」と「声グラ」が別々に協力していることから、いずれもWECサイドから持ち掛けたコラボ企画と考えられる。1誌だけならまだしも、声優専門誌の大手2誌との協力を取りつけたWEC。はからずも今回の募集広告によって、ワタナベエンターテイメントの“本気度”が垣間見られることとなった。
(文/神楽坂隆)

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