――昨今の声優人気に伴い、気がつけば声優専門誌も定期・不定期を合わせて10誌以上が刊行されている。そんな“声優誌 群雄割拠”の時代にあって、各誌はどのような記事・企画を取り上げているのだろうか? 主要な声優誌を中心に、目玉記事や気になる企画などを紹介しつつ、各誌の特徴を分析していく――
■「声優アニメディア」2014年6月号
出版社…学研パブリッシング
発売日…5月10日(毎月10日発売)
価格……1204円+税
創刊……2004年
「声優アニメディア」(以下、「声アニ」)6月号の表紙&巻頭特集はPetit Rabbit’s。現在放送中のアニメ『ご注文はうさぎですか?』のメインキャスト5人(内田真礼、佐倉綾音、佐藤聡美、種田梨沙、水瀬いのり)によって結成されたユニットで、同アニメのOPテーマも彼女たちが担当している。本誌に登場した5人の衣装は、OPテーマのMVでも着用したラビットハウス(主人公の下宿先の喫茶店)の制服だ。
余談ではあるが、この巻頭特集を眺めながら「最近はアニメ発のユニットが多いなぁ…」と再確認した次第だ。例えばアイドルアニメだけでも、Wake Up, Girls!、アイドルマスター、μ’s、STAR☆ANISなど……。現在の声優人気を考えれば、主題歌でメディアミックスを試みるのは、お手軽かつローリスクなのかもしれない。
さて、今号は声優誌のメインである声優ページではなく「読者ページ」に注目したい。読者からの投稿を掲載する読者ページは「声優グランプリ」や「Pick-up Voice」にも存在するが、割いているページ数は「声アニ」が最も多いのだ(「声優グランプリ」は広告スペース込みの2ページ、「Pick-up Voice」は2ページだが、「声アニ」は3.5ページ)。
「声アニ」の読者ページは「声アニチャンネル」と銘打ち、先月号の感想やイラストのほか、好きな声優に言ってほしい台詞、イベントレポートなど複数の不定期コーナーで構成されている。「声優グランプリ」も似たような構成だが、やはりページ数の多い「声アニ」のほうが充実した印象を受ける。
たとえば、ひと目で分かるのが投稿イラストの多さだ。「声優グランプリ」が毎号6~8点であるのに対し、「声アニ」では毎号20点前後のイラストを掲載している。しかも掲載枠は通常のイラストギャラリーだけでなく、誕生月の声優に向けたお祝いイラスト、その月のテーマ(今月は「ピクニック」)などが設けられている。
また、興味深かったのは読者からの企画提案だ。「この声優を取り上げてほしい!」など、雑誌のメイン企画に対する要望は他誌でも見られるが、今月の「声アニチャンネル」に寄せられたのは、なんと読者ページに対する新企画。具体的に説明すると「読者が印象に残っている声優の名言・珍言を投稿しよう」という要望である。この投稿に対し、編集部も「面白そう!」と反応し、さっそく来月号のメインテーマとして投稿を呼び掛けている。
「一応、体裁として読者ページをつくっておこうか」ではなく、「本当に読者と一緒につくり上げている」という姿勢が垣間見られ、素直に好感を抱いた。声優ページの充実を図るのは当然のことだが、読者ページでも決して手を抜かない──こうした誌面づくりは、愛読者にとって大きな魅力と言えるだろう。
ちなみに「声アニチャンネル」では、毎号投稿の中からMVPが選出される。このMVPを3度受賞すると“素敵なモノ”が贈られるとのことだが、その詳細は不明だ。“素敵なモノ”という良い意味で雑な表現が気になり、ふと「何か投稿してみようかな」と考えてしまった自分もまた、編集部の術中にはまっているのかもしれない……。
(文/神楽坂隆)
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