人気はやはり”手厚い”任天堂? 「このゲーム会社で働きたい!」

 20代の専門誌ライターは、ゲーム会社の社風を判断する上での重要な要素に本社のエントランスの様子を挙げる。

「コナミは、軽く打ち合わせる用の広いスペースと、重要な話をするための個室のほかに、ゲームセンターの一角のようなプレイし放題の部屋があるんです。実際にゲームをしながら話ができるのでわかりやすいし、とにかく楽しい。さらにコナミスポーツが出しているペットボトルや、タダで飲める自販機の飲み物を気前よく出してくれて、会社にいくとワクワクするんです。セガも、もともとゲーセンから始まった会社だけあって、ロビーでゲームし放題。お客さんを待たせている間も楽しませようという気持ちを感じさせてくれて、うれしいですね」

 逆に、エントランスが味気なくてがっかりするのが任天堂だとか。

「京都の本社に行くと、よくわかんない日本画みたいのが飾られているだけで、ファミコンもWiiもマリオも何にもなし。呼ばれたから来たのに、20分くらい待たされて、その間紙コップにお茶一杯で放置される。任天堂ともあろうものが、紙コップですよ」

 意外なところで不評をかこつ任天堂。それに対して、長く任天堂とライバルとして争ったソニー・コンピュータエンタテインメントを入りたい会社に挙げた人も。

「親会社の社長がハワード・ストリンガーさんに変わってからも、プレステの生みの親である久夛良木健氏のカラーが社内にあって、広報もフランクだった。2010年に本社を青山からほかのソニーグループと同じ品川に移したあたりから、お堅いソニー色が強まったが、それでもタカビーな任天堂よりは遥かに好感が持てる」(30代開発会社社員)

 さて、ここまでは大手ソフトメーカーが多かったが、近年急速に台頭したソーシャルゲーム会社に入りたい人もいた。30代オンライン系企業マーケッターは、『パズル&ドラゴンズ』(パズドラ)が大ヒットしたソフトバンク系のメーカー、ガンホーを挙げる。

「やればやるだけ出世ができる。社風も若くて、新陳代謝が早そう。それに加えて、アプリにもかなりの金額を投資しているし、新しい会社なのに安定している」

 任天堂やカプコン、コナミに入りたいという人は、ゲーム会社としての基盤の硬さが魅力のよう。それに対して、老舗はかえって作りたいゲームが作れず、つまらないと感じるのか、新興メーカーを支持する人も。たとえば、ポップなイラストのシミュレーションRPG『サモンナイト』を開発しているフェリステラ。

「大好きなゲーム『サモンナイト』シリーズを手がけているから。せっかくこの業界に入ったのなら、好きなタイトルに関わりたいと思うけど……現実はそううまくいかない(苦笑)」(20代グラフィッカー)

 中には海外メーカーを挙げた人も。『グランド・セフト・オート』などを開発するロックスター・ゲームスは、「日本のゲーム会社と違い、映画やテレビのストーリープロパーがスタッフとして入っていることにより、ゲームを作る側とストーリーを作る側が密接に作業できる環境が整っていることが、作られている作品から伝わってくる」(30代広告代理店)という。

 無論、特定のゲーム会社に所属するだけがクリエーターではない。最後に、安定した収入よりも、自分で自分の仕事をプロデュースできるフリーランスが一番という声を紹介しよう。

「正社員になることによる固定収入は魅力的だが、それよりもフリーランスは自分で稼いだ分イコール収入なので、やりがいがある。しっかりと自分の能力やスキルがあれば、会社員でいるよりも有利な仕事内容や契約を結ぶこともできる。望んだ案件が取れなかった時は、やりたくない仕事を請けざるを得ないが、それも最終的には自分の経験になる。現在うまくいっているので、当面はどこかの会社に所属する予定はありません」(30代3Dグラフィックエンジニア)

 大手メーカーの安定感を取るか、それともゲームクリエーターとしての創作意欲を満たすことが最優先か。もちろんその両方を満たせればいうことはないのだが、目指すゲーム業界人としての理想のあり方の違いによって、入りたいゲーム会社もさまざまに異なってくるようだ。
(構成/青場はるお)

――この特集ではほかにも、「入りたくない会社」(「サイゾーpremium」参照)も関係者にうかがいます。さて、第3夜では『ロリ認定の基準は“5頭身”!? エロゲー業界の自主規制団体「ソフ倫」「メディ倫」の基礎知識』を紹介予定です。

 このほか、当特集では『うら若き現役女子小中高生たちが語るアイドルのゲーム事情』や『ソシャゲ業界匿名座談会』、『過激すぎて日本語に移植できないタブーなき「洋ゲー」のアブない世界』などなど…“過激なゲームの裏話”に迫っています。

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