グンマーの“マ”の字は魔境の“魔”! 群馬県協力の『群馬県から来た少女』はラノベの極北を目指す!?

 群馬県に実在する企業や名所や名物が、たま出版もビックリなロストテクノロジー&超常パワーを発揮する、いまどき珍しい濃縮還元100パーセントの“バカ小説”でした。正直いって手に汗握るストーリー展開とか、最後にうるっと感動させるドラマとか、地域の活性化を目的とした社会的なテーマとかは、清清しいほどないです!

 あるのは

・県立つつじが丘公園に植えられている宇宙ツツジは、奇声を発して触手で人を襲う謎の生命体であるとか

・農業改革に貢献した農学指導者・船津伝次平は、その名のとおり電磁的パワーを操って敵を倒すとか

・磯部温泉で毎日四回、無料で上演されているサイボットシアターの主役・ロボット舌切雀(おじいさん)は、無敵の戦闘マシーンだとか

 帯にも記されている通り“群馬県の「あるあるネタ」満載”……って「絶対ないわ! こんなこと!!」と日本広告審査機構、JAROってなんジャロに電話したくなるような、過剰なギャグのつるべ打ち。しかも、それでいて後半では時空を越え、世界の歴史すら書き換えるグンマーの真実が明かされるという無駄に壮大なストーリー。

 なんかもう一点突破の凄みというか、研ぎ澄まされた職人の切れ味というか、バカのひとつおぼえは岩をも砕くというか、群馬ネタ一本で、ここまでナンセンスな、ライトノベルの極北ともいえる物語を書けるものかと、著者の筆力と狂気に脱帽しました。同時にこれをチェックし、許可を出した群馬県の皆さま、あんたち漢(おとこ)だよ!

 と、ここまで書いて気になったので、群馬県の公式サイトで、本書の記事を検索してみました……えーと、何もないみたい。うん、まあ、しょうがないよね!!

 ちなみに本書の外伝にあたるゲーム『群馬県から来た少女』がAndroid、iphone対応で無料配布中です。グンマーの科学を総動員して作られた16色8bitの電脳世界を体験せよ!
(文/雑賀洋平)

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