『劇場版ハイスクール・フリート』は普通に秀作! 『はいふり』ファン&ミリオタに一見の価値アリ

■くそ熱い大和級戦艦4隻の一斉射撃!

 この辺、映画パンフレットでも解説がないので、詳細は一応避けますが、「競闘遊技会」に集結していた女子海洋学校の主力艦と晴風が出撃することに。「〇〇を救えるのは私たちだけ……!!」というアクション映画にありがちな、くそ熱い展開を迎えます。

 特に正史上は実現しなかった、架空戦記でも最近は恥ずかしくて、なかなか展開されない大和級艦隊揃い踏みで一斉射撃というシーンを描き切ったことは、もっともっと高く評価されるべきでしょう。男子でクリエーターなら、一度は「やってみたい!」と夢見るシーンではないでしょうか。正直、やりやがった! という気持ちです。うらやましい。

 ま、この一斉射撃は敵に致命的なダメージを与えられない、陽動にしかならないというのがちょっと悲しいですが……。その後、晴風の孤独な獅子奮迅が始まりますが、これもなかなか熱いですし、あけ・しろの絆の深さが確認できる……という展開へ。結局ましろの転校も何となくうやむやとなり、ハッピーエンドへ。

 女の子の物語もそれなりに描いていますが、本作はミリオタ向けのにおいをたっぷりと漂わせる1作です。本作は脚本を鈴木貴昭、岡田邦彦の2人が務めています。一方でTVアニメではシリーズ構成を務めていた吉田玲子さんは、本作には携わっていません。

 鈴木氏といえば、アニメ業界では屈指のミリタリー専門家。その鈴木氏を脚本へ持ってきた段階で、ミリタリーに重きを置くという方針だったのでしょう。であれば、もう少し大和型4隻に活躍の場がほしかったなと思いますが、これはないものねだりでしょう。

 ただ、それならそれで、戦闘シーンにもう少し迫力がほしかっところ。特に一斉射撃シーンなどは、立川シネシティで爆音上映などでもう一度楽しみたいのですが、上映されていないんですよね。『劇場版「メイドインアビス 深き魂の黎明」』は上映しているのに……。

 とツラツラと書いているうちに、『劇場版「メイドインアビス 深き魂の黎明」』の後塵を拝する理由もわかってきた気がしますが、繰り返し言うように、普通に秀作です。『はいふり』ファン及びミリオタなら、一見の価値があるでしょう。
(文・馬場ゆうすけ)

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