冨樫義博が選ばれていいのか……中国人が選ぶ偉大なマンガ家トップ5に疑問【中国ニュース】

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　中国・テンセントニュースに配信された記事で「日本のマンガを切り拓いたマンガ家トップ5」が選ばれ、それぞれの業績が紹介されています。それは、妥当セレクトなのか、日本人の間でも議論を呼びそうなものです。

　この「日媒评选拥有多部代表作的漫画家，第一名是漫画界的开山始祖」という記事では、『NARUTO』の連載終了後に作者の岸本斉史さんが数年間にわたって新連載を始めるために苦労を強いられたことを例に挙げ、厳しい競争に晒されるマンガ業界の実情を記しています。その上で、競争に打ち勝ってきた5人のマンガ家を主にジャンプ系からセレクトしています。

　まず5位に選ばれたのは北条司さん。記事では北条さんが大学を卒業まもなく『キャッツアイ』の連載のヒットで人気マンガ家になったこと。アシスタントの経験がないことを記しています。

　続いて4位は冨樫義博さん。ここでは『幽遊白書』は『スラムダンク』『ドラゴンボール』と並ぶ『週刊少年ジャンプ』の巨人というべき作品と記し、彼は特別に週刊連載ではない連載形式が許可されているとしています。

　3位は鳥山明さん。当然ながら世界中で人気があり『ONE PIECE』の作者である尾田栄一郎さんも影響を受けた作品であることが解説されています。

　さて、第2位に登場するのは赤塚不二夫さんです。ここでは、彼がギャグマンガというジャンルの天才であったことを記します。ただ、記事では多くの人は彼の作品を知らないであろうこと、唯一知られている作品はアニメの『おそ松さん』ではないかとも書かれているのです。

　そして、一位に輝くのはやっぱり手塚治虫さんです。ここでは日本の様々なマンガ表現の始祖であることを記しています。

　いかがでしょう。やはり気になるのは4位と2位でしょう。週刊連載が当然の「週刊少年ジャンプ」において、毎週書かなくてよいという特異な立場を獲得した点で冨樫義博さんは偉大な描き手でしょう。だが、それゆえに将来語り継がれるマンガ家になっているかといえば疑問です。

　4位の赤塚不二夫さんの紹介にも疑問が。『おそ松さん』は優れたアニメだったとは思います。でも、赤塚作品で評価すべき点はそこではないでしょう。赤塚作品の面白さを文字で伝えるのは日本人でも難しいから仕方がないのかもしれません。

　もちろん、これは中国における一つの視点に過ぎませんけど……。
（文＝中国ニュース取材班）