世界で愛される日本のオタ文化vol.1

『ベルセルク』の強い影響を受けたフィンランドのヘヴィメタルバンド・BEAST IN BLACK!バンドの中心人物“アントン・カバネン”が作品愛を語る

『ベルセルク』の強い影響を受けたフィンランドのヘヴィメタルバンド・BEAST IN BLACK!バンドの中心人物アントン・カバネンが作品愛を語るの画像3プレイ中のアントン氏の表情は、『ベルセルク』を語るときのそれとは別人のよう。

──初めて観た時、日本の作品だということは分かっていましたか?

アントン:ああ、もちろんだよ。というか、マンガやアニメの多くが日本発だということは知っていたからね。アニメは妹を通じてハマったんだ。いや……違うな。もっと昔──まだ5~6歳で、幼稚園に通っていた頃、『銀牙 -流れ星 銀-』を友達と一緒によく観ていたから。フィンランド語に翻訳されていたけど、それが俺の(日本のアニメ)初体験だったな。あと、『ムーミン』も! 俺はムーミンの大ファンなんだ。元々は’60~70年代に始まったというのも知っているけど、最も出来が良いのは、’90年に日本でアニメ化されたヴァージョン(『楽しいムーミン一家』)だ。アレが一番クラシックな、みんなが好きなヴァージョンだよね。

──妹さんが好きで観ていたのは?

アントン:『美少女戦士セーラームーン』さ。それで、俺もアニメに対する理解が深まったんだ。ただ、『ベルセルク』は特別で、他のアニメとは一線を画した深みがある。異なる雰囲気が漂っているし、登場人物の個性も強烈だね。凄く人間臭いし。超自然的な事件が起こっているシーンでも、人間的な要素がふんだんに描かれている。彼等が直面している感情──兄弟愛や裏切り、愛情、ごまかし……などがね。

 あと、ケンタロウ(作者の三浦建太郎)が軍隊に対して非常に詳しい知識があるのにも驚いた。大軍を編成して戦いに挑むシーンなどで、隊長の命令の下し方ひとつとっても、とにかく全体像がよ~く掴めている。あらゆることを理解していて、本当に感嘆させられるよ。だから、この漫画からは止めどないインスピレーションを受け続けているんだ。常に何かが得られるし、俺がこの作品をテーマにした曲を書き続けているのは、だからこそさ。

 いつかソロ・プロジェクトか何かで、『ベルセルク』だけをテーマにした曲を集めて、アルバムを制作してみたい。最初の巻から順番にアートワークを付けていって、サウンドトラックみたいになればイイな。今は他にもやることがあるけど、充分な時間が出来たら、それだけに集中してみたいんだ。

──原作者にコンタクトを取ったことは?

アントン:ないよ。でも、考えてはいる。もう3~4年になるけど、然るべきタイミングを見計らっているんだ。いつか彼と一緒に仕事が出来たら…というのが、俺にとってひとつの夢だね。例えば、彼にBEAST IN BLACKのアルバムのアートワークを手掛けてもらう……とかね。もし、BEAST IN BLACKの曲がアニメに採用されたりしたら、もう最高だな。エンディング・テーマなどで使われたら……と、夢が膨らむよ。

──BEAST IN BLACKやBATTLE BEASTの曲に『ベルセルク』の映像を載せた所謂“MAD”ムーヴィーが、YouTubeなどに沢山アップされているのはご存知ですか?

アントン:うん。いくつも観たよ。BATTLE BEASTのサード・アルバム(’15年『UNHOLY SAVIOR』)に入っている「Touch In The Night」が(’14年に)シングルとして公開された時のことはよく憶えている。この曲はガッツが鷹の団を去る場面について書かれていてね。彼は完全に希望を失った状態で、シャルロット王女に慰めを求めに行くところだった。すると、シングルがリリースされて1週間も経たないうちに、誰かがリリック・ビデオを作ったんだ。まさにピッタリのシーンをアニメから取ってきて、楽曲に当てはめてね。「うわ……コレはすごい!!」と思ったよ。

TVアニメ 「ベルセルク」

TVアニメ 「ベルセルク」

アントンも物議を醸したベルセルク TV.ver

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