イラストコミュニケーションサービス「pixiv」を運営するピクシブの新サービス「pixivFANBOX」が、予想外の視点から議論を呼んでいる。4月、本格的に稼働を始めた「pixivFANBOX」は、クリエイターの創作活動を継続的に支援するサービスだ。
ファンは、クリエイターが設定した支援プランの中から、提示されたさまざまな内容や金額を任意に選択し、クリエイターを支援することができる。課金は月額制。
同様のスタイルで、ファンがさまざまなジャンルの人を支援するシステムは存在する。そうした中で登場した「pixivFANBOX」は、ファンが好きなクリエイターを支援するコミュニティを、より身近なものにすることになりそうだ。
しかし、ここに思わぬ問題が起きている。
二次創作の扱いをめぐる問題がそれだ。よく知られているように「pixiv」には、二次創作作品も多数。もし、こうした作品を公開しているクリエイターが、ファンからお金を集めて作品を描くことは「著作権的にアウト」「海賊行為だ」などと指摘されているのだ。
一方で「個人を支援してるのであって、二次創作された作品を買っているわけではないから、セーフではないか」という意見も、
こうした議論が溢れる状況に「pixivFANBOX」の公式Twitterは、すぐに反応。ユーザーの問い合わせに対して、次のようなツイートを行っている。
二次創作のイラストの投稿は、可能となっております。ただし、pixivFANBOXの投稿に関しましては、権利者から通報があった場合や明確に著作権に違反していると判断できる場合には 投稿を非公開とさせていただくことがございます。— pixivFANBOX (@pixivFANBOX) 2018年4月26日
投稿内容を事前に把握できないため、機能上アップロードすることは可能という意味合いでお答えしました。
対象の投稿が他者の権利を明確に侵害している場合には迅速に対応します。
誤解をまねく表現でお答えしてしまい、ご心配をおかけして申し訳ありません。— pixivFANBOX (@pixivFANBOX) 2018年4月26日
実際、どういった作品を支援されたクリエイターが作っていくのか。二次創作された作品に対して権利者が、著作権侵害を申し立てるかなどは、起こってみないとわからない。
現に、コミックマーケットのような同人誌即売会や、同人誌などをショップで販売する行為は当たり前に行われている。でも、これも権利者に訴えられたらアウト。あくまで権利者の「お目こぼし」で、同人誌は存在しているもの。
「pixivFANBOX」は、原則的にはクリエイターもファンも喜ぶ理想的なシステム。とはいえ、さまざまなケーススタディが蓄積されていない状況ではトラブルも発生するであろう。
今後、どのように発展していくのか。利用しながら検証してきたい。
(文=是枝了以)
「pixivFANBOX」に議論噴出! 結局、二次創作はどうなの?……でも、やってみなくちゃわからない?のページです。おたぽるは、マンガ&ラノベ、出版業界事情、pixiv、二次創作、Pixiv Fanboxの最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!
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