アイドルの処方箋 第6回

5年ぶりのワンマンライブを終えて——姫乃たまはアイドルになれたのか?

■姫乃たまソロセット――「アイドルになりたい」

 白い羽があしらわれた、思い切りアイドルらしいミニドレスに着替えた。「僕とジョルジュ」の楽器が撤収されて、がらんとした舞台にひとりで立ち、幕が開けるのを待つ。いつもと同じ条件で戦えるように、ソロの出番にはバンドでなく、カラオケを用意してあった。地下アイドルとしてのソロセットが始まる。

 今回の公演では、普段のライブでは凝ることができない演出に、準備期間の多くを割いた。まずVJの映像は、舞台の背景とフロア両サイドの併せて三面に、なるべく大きく映し、舞台の天井には大きな立方体の箱をいくつか吊って、プロジェクションマッピングでそれぞれの面に映像を映し出した。その映像を活かしつつ、舞台が暗くならないように、照明さんが最後まで調整してくれた。

 また、すべての楽曲は照明さんによって楽譜に書き起こされ、最初から最後まで曲と合うように照明の展開はすべて決めてあった。それから音響を、「僕とジョルジュ」のレコーディングを担当してくれている馬場友美さんにお願いしたおかげで、技術的にも、精神的にも、非常に安定した。トラブルが起きる度、馬場ちゃんの対応の速さと笑顔に救われた。

 ソロセットは、アルバム『First Order』の全曲と、7インチレコードの楽曲『たまちゃん!ハ~イ c/w おんぶにダッコちゃん』の楽曲から成り立つ。序盤は勢いを損なわないように、『来来ラブソング』『ねえ、王子』『マジで簡単なコネクション』『DSK019』とアルバム通りの曲順に、一気に歌って踊った。

『ねえ、王子』では、水野しずちゃんが描き下ろしてくれたイラストの私が、舞台上の私と一緒に映像の中で踊っていた。そのほかの3曲は、ワンマンライブに向けてイベントを開き、振付師のNachuさんとファンの人たちと1から作り上げた振付だった。客席のファン人たちを見ながら、ああでもないこうでもないと話し合った振付会を思い出す。

 もっとも映像と私が融合していたのは、中盤の『愛はさかあがり』だろう。パリ万博の「動く歩道」をモチーフにしたもので、背景で動いている歩道に私が飛び乗ると、歩道に乗って移動できるというものだ。岸野雄一さんが音楽劇「正しい数の数え方」で披露していた演出で、最初はこれがやりたくて映像の導入を決めたのだった(だって楽しそうじゃないですか……!)。

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