『渋谷金魚』「グロさと恐怖がたっぷり!」渋谷に人食い金魚が大量発生! まさにパニック映画!!

 渋谷に突如大量の巨大“人食い金魚”が現れた! 「ガンガンJOKER」(スクウェア・エニックス)にて連載中のマンガ『渋谷金魚』(作:蒼伊宏海/スクウェア・エニックス)の第1巻が2月22日に発売されました。ちょっと変わったパニックマンガでとても読みごたえがありますよ。

 映画鑑賞と撮影が趣味という、平凡で冴えない高校生・月夜田初がある日撮影のために渋谷に訪れると、偶然にも学校のマドンナ・深草さんと出会い、行動を共にすることに。つまらない日々を過ごしていた月夜田の人生に突如として訪れた映画のような転機。しかしそのわずか数秒後、月夜田は今日の転機が最悪のものだったと知ります。

 深草さんの笑顔に胸をときめかせた次の瞬間、目の前に巨大な金魚が出現し、人間を食しました。何をいっているのかよくわからないかもしれませんが、とにかくそう表現するしかありません。2人もわけがわからないまま逃げだしますが、しかし気づいた時には街中に巨大金魚が浮遊していて、人間はどんどん食べられています。金魚は何故か人間の言葉を喋っていますが、知能はなさそうで、会話をするとかではなく、意味も分からずただ人間の言葉を発しているという感じ。

 こんな感じで突如恐怖の街となった渋谷を舞台に、主人公は金魚から逃げ回りそして戦っていきます。同作は簡単にいってしまえばゾンビ映画の金魚版とも言えそう。パニック映画を見るような感じで読み進められるのが良いところでしょうか。

 高い画力で109やヒカリエ、パルコなど渋谷の街を忠実に再現しているのでかなりリアリティがあります。グロ表現もなかなか過激で、金魚に食べられる以外のもっと残酷な死に方をする人もいて、その様子はトラウマになっちゃいそうなほど。

 金魚って怖いか? と思う人もいるかもしれませんが、このマンガを読んだらサメなんかより金魚のほうが断然不気味で気持ち悪く怖い生き物だと知ることでしょう。無表情でエサ(人間)をひたすらついばむ金魚。めちゃめちゃ恐怖です。

 巨大金魚の外見や特性は、そのサイズと浮遊していることをのぞけば実在の金魚と全く同じ。視力が弱いため音と匂いに反応してエサを発見し、変温動物のため急な温度変化が起こるとショック死します。ここらの設定を使って主人公たちはなんとか金魚から逃げようと試みます。

 相手にも弱点や特性があるというのもゾンビ映画とわりと似ていますね。でもそれでいいんです。同作は前述したようにパニック映画を見るような感覚で読めれば良いと思います。

『渋谷金魚』はシーズンで区切られており、シーズン1は月夜田初が主人公ですが、シーズン2は渋谷に住むホームレスが主人公になるみたい。渋谷に現れた巨大金魚に対して、それぞれの別の価値観を持つ人がどのような対応をするかというのが描かれていくようです。

 シーズンが進むにつれて物語がどんどん深まっていき楽しくなっていくか、インパクトがどんどん薄れていき面白くなってしまうのか、ここからが作者の腕の見せ所かも。出オチにならないように期待しながら今後の展開に注目していきたいです。
(文・白子しろこ)

渋谷金魚 1

渋谷金魚 1

『ギョ』ともまた違う味わい

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