「コロコロコミック」(小学館)にて連載中のマンガ『でんぢゃらすじーさん』(作:曽山一寿/小学館)に、小学生ぐらいの頃、腹筋を破壊されたというおそらく今の10代、20代は多いことだろう。1月27日にはそんな同作の特別編『でんぢゃらす王国』の第1巻が発売されたので、ちょっと紹介してみたい。
『でんぢゃらす王国』は「月刊コロコロコミック」や「別冊コロコロコミック」などで不定期に掲載されたのをまとめたもの。一応、ストーリーもののようになっているが、基本的には一話読み切りで、どの話から読んでも普通に楽しめる。各話の共通の設定として「でんぢゃ軍」と「ぢゃらす軍」の真っ二つに分かれた国内での抗争を描いており、「ぢゃらす軍」には“ダークネスじいさん”という親玉がいて、主人公はそれに対抗する“勇者(仮)じーさん”(以降、勇者)と、“ツッコミーノ・マゴ”。
一話ごとに「ぢゃらす軍」から送り込まれる刺客と戦っていく勇者。最初の敵は斧を持っていて見るからに悪そうな“悪騎士じーさん”だ。
戦いを挑まれた勇者は「イタイのやだからことわる」と言い放ち、別のキャラクターを召喚させて戦せる怠惰っぷり。でも召喚した“せんしじーさん”が実は“戦死じーさん”ですぐ死んだり、“まほうつかいじーさん”がトランプ手品の方の魔法使いだったりで戦力にならなかったりと散々。
その後も勇者とマゴは、8つの首がある“ヤマタノオじーさん”、ボスっぽい雰囲気の“ボスじーさん”、リザードに髭が生えただけの“リザードじいさん”、ガイコツに髭が生えただけの“ガイコツじーさん”といった敵たちと対決。謝罪して切り抜けたり、不意打ちしたり、あと不意打ちしたり、さらに不意打ちしたりして敵を倒していく。
各話の大オチまではクスッと笑える小ネタを何個もテンポよく挟み、話をうまい具合に展開させていき、大オチはベタベタだけど緊張からの緩和という、セオリー通りという仕上がり。さすがの安定感と言わざるを得ないクオリティで、十数年前に読んでいた記憶がすぐによみがえった。
『Dr.スランプ』(集英社)を連載していた鳥山明が1話完結式のギャグを毎週考えるのが大変で連載を止めたことや、『世紀末リーダー伝たけし!』(作:島袋光年/集英社)や『銀魂』(空知英秋/集英社)もギャグとシリアスパートを交互に展開していくことを例に挙げるまでもなく、ギャグマンガを作り続けるのは相当至難のはず。
それなのに『でんぢゃらすじーさん』は01年から今も連載中で(タイトルを変えているが内容はほぼ同じ)、しかも雑誌で看板を張るような人気を誇っているすさまじさ。「コロコロは月一連載だろ!」とツッコミみたくなる人もいるだろうが、作者の曽山一寿は『でんぢゃらすじーさん』と並行しながら「コロコロアニキ」で『でんぢゃらすリーマン邪』を、「コロコロイチバン!」で『みかくにん ゆーほーくん、』(全て小学館)の連載も行っているのでそのツッコミは通用しないのである。
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