しかし、そんな楽しいシーンの中に、「ファンタジー」の要素が見え隠れする。恋愛下手な二人が、少しずつお互いを意識していく。みくり25歳、津崎35歳という設定だが、それはまるで、中学生の頃の初恋を思い出すような初々しさだ。
そんなこのドラマを、とびきりのファンタジーならしめているのが、新垣結衣の存在だ。
これだけ美しい容姿を持ちながら、どこか恋愛下手で、ピュアな女性を見事に演じている。物語に入り込むために、この要素は非常に大きい。これこそが誰にも真似できない彼女の魅力だろう。
それはもちろん、星野源にも言える。
残念ながら男の私には、彼がイケメンかどうか判断しかねるが、俳優として歌手として、多くの人気を集めているのは間違いない。そんな彼が口にする、どこか自虐的で、達観したようなセリフ。
「恥ずかしい逃げ方だったとしても、生き抜くことの方が大切」
「僕は一生このまま、本当の結婚はせずに終わる」
それが同じく恋愛不適格者であろう私の心に響いてくる。
繰り返すが、この物語は「意図せずに同居することになった二人が、お互いを認め合い、慈しみ合う」ところが美しいのだ。例えばこれは、昔の家同士の結婚や、形だけのお見合いで結婚することになった夫婦に近いのではないだろうか。
今は恋愛至上主義で、愛し合って結婚するのが当たり前。
しかし、親同士が決めた相手と結婚し、50年経って「いろいろあったけど幸せだった」と言い合っている夫婦に、私は人としての尊さとファンタジーを感じる。結婚なんて、もともとそういう類のものであったのかもしれない。私の日本人としてのメンタリティが、それに憧れを抱かせるのだろうか。
ドラマの魅力はじわじわと広がっているようで、10.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)→12.1%→12.5%と回を追うごとに視聴率も上がっている。物語はこれから中盤戦。どんなトラブルが巻き起こって、そしてこのファンタジーはどういう結末を迎えるのか。
とびきり素敵な夢の世界を覗き見るように、これからの展開も見届けようと思う。
(文=プレヤード)
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