『桐谷さん ちょっそれ食うんすか!?』(ぽんとごたんだ) 女子高生なら「キン●マ食べたい!」 ゲテモノ料理が大集結 

 先頃、単行本第1巻が発売になった、ぽんとごたんだ『桐谷さん ちょっそれ食うんすか!?』(双葉社)は、新手の料理マンガです。単なる料理マンガではありません。この作品がテーマとするのは「珍グルメ」。すなわち、ゲテモノ食いマンガなのであります。

 物語のヒロイン・桐谷翔子は女子高生。それも美人でクラスメイトから教師まで狙う男は山のようにいます。でも、翔子が仲良くしているのは、お兄ちゃんの友達だった生物教師の先生。なぜなら、先生は昔のよしみで、翔子の食い意地に付き合い、調理のために理科室まで貸してくれる素敵な先生だったからです。

 そんな翔子の食い意地は、とても女子高生と思えるものではありません。第1話で扱われる食材は、カエルなんですから。それも、えらく手慣れた手つきで皮を剥ぎ、内臓を取り出すのだから、いったいどうなっているんだか?

 第2話ではマムシが食材として扱われますが、こちらも生きている状態からの調理が描かれます。ポピュラーな危険生物であるマムシを捕まえて、ちゃんと下処理できる高校生なんて、これまでの料理マンガにはあり得なかったヒロインではありませんか!

 そんな彼女のワイルドさには、ちょっと引き気味の先生は、男ながら結構繊細な性格。それゆえに、ワイルドすぎるカエルのスープに野草を足すなんてアイデアを提供したりして、翔子にとっては、欠かせぬ「同志」となっていくのです。

 とにかく、調理はワイルドな翔子ですが、意外に可愛い一面も描かれるのが、この作品のポイントです。マムシを食べたら、その効果で身体がたぎってしまい「服を脱いでいいですか?」とか言い出しちゃうのですから。

 さらに、先生が風邪で休んでいると聞いたら、自宅まで食材を持って「来ちゃった」と、やってくるのです。もっとも、そのときの食材であるサソリに興奮しているばかりに、ホラーなテンションでドアの前に立っているわけですけど……。

 そんな第1巻に登場する食材の中で、秀逸なのは豚の睾丸でしょう。希に刺身で食べさせてくれる店もある珍味ですが、ここでは湯引きにして、ポン酢で味付けしつつ鶏の卵と混ぜて食します。注目すべきは、その調理過程。ぐつぐつと煮込んでいる最中の、豚の「キン●マ」は、結構な異臭を放つ。そんなシーンまでちゃんと描かれるのです。まあ、この回、作者が女子高生キャラに「キン●マ」を連呼させたかった感も伝わってくるのですが……。

 そんなゲテモノ料理が連なる本作。後書きによれば、作者はすべて実食済み。そして、ここまでさまざまな食材を描けた理由は、島根生まれの野生児な父親の知識だといいます。なんでも、作者の父親は、ここに登場する料理の大半を食べたことがあるんだとか……。

 読後の感想は、ただ「島根県って、すげえな」という思いなのでした。
(文=大居候)

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